『HUNTER×HUNTER』ビヨンド=ネテロは本当に悪人? 王位継承戦での謎めいた企みを考察
※本稿は『HUNTER×HUNTER』最終話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、約1年9カ月ぶりに『HUNTER×HUNTER』の掲載が始まった。そこでは「王位継承編」の行く末を左右するような情報が次々と明かされており、はやくも読者たちに衝撃を与えている。
なかでも今回注目したいのは、元ハンター協会会長・アイザック=ネテロの息子とされるビヨンド=ネテロに関する描写だ。
10月7日発売の『週刊少年ジャンプ』45号に掲載された第401話では、クラピカによる念能力講習会の受講者であるロンギが驚きの事実を告白。自分はビヨンドの隠し子の1人だと告白した。
さらにロンギは、カキン帝国に潜入させられたビヨンドの子は他にも10名以上いること、それぞれに念能力の爆弾が仕掛けられていること、王位継承戦に参加している王子たちの中にもビヨンドの子がいることなどを暴露。そしてビヨンドの目的について、自身の子である王子をカキンの王にすることだと説明した。
ビヨンドといえば、暗黒大陸への進出を訴えて「王位継承編」のきっかけを作った人物だが、今回のエピソードではその数十年前から邪悪な策謀を巡らしていたことが示唆されている。そのことにショックを受けてしまった読者も多いようだ。
とはいえ、ロンギの話を全て鵜呑みにするのも危険かもしれない。というのも、ここで語られた「ビヨンドの計画」には憶測が含まれているようにも見えるからだ。
たとえば、ロンギはビヨンドが自身の目的を遂行するため、子どもたちに念の爆弾を仕掛けたかのように語っているが、これはまだ確定ではない。確実な事実と言えるのは、ビヨンドの子の多くに念の爆弾が憑いていたという部分までだろう。
作中では、暗黒大陸出身の「ナニカ」が、「標的とその関係者を巻き添えにして殺す」という摩訶不思議な現象を起こした例もある。ビヨンドが暗黒大陸で類似の呪いを受け、子どもに爆弾が憑くようになった……という可能性もあるかもしれない。
また、ロンギは標的を呪殺しうる「強い詛贄者」が10人以上存在し、14人という王子の人数と合致していることをもって、ビヨンドの狙いが王位継承戦のコントロールにあると推理していた。しかしこれについても、あくまで推測であって確定的な事実とは言えないだろう。
ロンギは父親に対して愛憎の入り混じった強い感情を抱いているため、そのことによって推理にバイアスがかかっている可能性はゼロではない。すなわちビヨンドの実態に関しては、まだまだ謎が多いと言うべきではないだろうか。