【漫画】Xで大バズり中! 生成AIを駆使した『地雷系ひよこ店長』の解像度が高すぎる

【漫画】『地雷系ひよこ店長』シリーズ

――人気の要因をどう分析されていますか。

YunbuM:店長のキャラクターの見た目で刺さった人が多いんじゃないかなと思っています。あとは各2ページくらいの話なので、Xと相性がよかったのかもしれません。

――着想や制作のきっかけについて教えてください。

YunbuM:AIで作っているうちに、少し露出が多い方が反応がいいと気付いたんです。でも旧Twitter側のコンプライアンスに違反するので、投稿をバンされたり18歳未満は見れなくなってしまう。でも肌色を出さず、いかに色っぽい内容にするかを考えて投稿したら何回かバズったんですよ。

――なるほど。

YunbuM:でもだんだんAIが進化したのか、全然露出してないのにセリフの文脈でも判断するようになってきて(笑)。そのタイミングで健全な方向性に変えたんです。

 それから試作を重ねていき「これはいけるかも」というタイミングで、1枚絵から2枚絵の漫画に切り替えたんですよ。それで最初にバズったのが「地雷系ひよこ店長」でした。

――「地雷系ひよこ店長」のコンセプトは?

YunbuM:何も考えずに作ると暗い作品になりがちなんですよ(笑)。カロリーを使わずに読める明るい話にしようと意識しています。でも、ただサクッと読んで終わりじゃないインパクトも大事。ちょっとしたサプライズは必ず入れるようにしています。

――可愛いポーズの着想はどこから?

YunbuM:TikTokなどで人気のショート動画は見ています。そこからプリクラで取るポーズとかも勉強しました。実際にそれを再現するのは大変なんですけど、自分の頭だけでは単にピースするくらいしか思いつかないので(笑)。

 ファッションに関しては実際に外を歩いてみて、街の空気感とかも含めて参考にすることが多いです。ひよこ店長もドラッグストアの店員さんを見て思い付いたんですよ。

――生成AIは何を使っているのでしょう?

YunbuM:色々なツールを使っています。工程としては生成するまでが半分、編集が半分といった感じですね。

――AIを使用する時に難しさはありますか。

YunbuM:一時期はAIは指の表現が弱かったのですが、今は改善されました。あとは登場人物がふたり並ぶ絵が出せない。だから別で生成した絵を合体させるのですが、今度は色味が合わなくて……(笑)。

 光源がまったく違うのでやり直さないといけないです。Xに投稿している漫画家さんの更新スピードを見ていると、結局AIを使っても要する時間は変わらなくなってきました。

 今の問題は進化スピードが速すぎるので、すぐマシンが追い付かなくなるところ。40万も費やして買ったグラフィックボードがすぐ使えなくなるのは辛い(笑)。今はもうエンジニアレベルじゃないと追いつけないレベルですよ。

――プロンプトの例も教えていただきたいです。

YunbuM:キャラクター毎に固定しつつ、その上で組み合わせていきますね。ただ最近は言葉を入れ替えたら変わったり、スペルミスが入った方がいい時もあるので(笑)。

 あえて感覚的に誤字を入れたり、自分でもよくわからなくなっている部分があります。ピリオドが重複しただけで変わるので不思議だなと。

――なぜAIを使って作画を始めたのですか?

YunbuM:子供の頃から漫画家を目指していて、腕の病気になってデザイン系の仕事を諦めてIT系の企業に勤めていました。でも数年前に「AIでイラストを描ける」と知り使い始めたんです。特に「Stable Diffusion XL」になって世界が変わりましたね。だいぶ柔らかい絵が出るようになったなと。

――「地雷系ひよこ店長」のランダムブロマイドがローソンとミニストップで発売されていますが、これについては?

YunbuM:自分がAI系のクリエイターなので、こういう話が自分に来るとは思いませんでしたね。色々と広がっていて驚いています。最近は「この作品を汚してはいけない」という緊張感も出てきました。AIを使った表現として、ひとつの可能性を見せることができたら嬉しいです。

――今後はどんな活動を?

YunbuM:声優さんに声を当ててもらって、TikTokなどのショート動画を作りたいという構想はありますね。また「地雷系ひよこ店長」は各キャラの成長や人間関係を深堀りして描いていければ。

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