夏のコミケ、26万人を集め盛況 インバウンド、無課金おじさん、手描き色紙……参加者に聞く今年のトレンド

■夏のコミックマーケットは大盛況

コミックマーケット104のカタログ

 世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット104(以下:C104)」が、2024年8月11日・12日の2日間にわたって開催された。公式の発表によると、両日の来場者の合計は約26万人。今年のC104は天気に恵まれ、会場の気温は35度超えであったが、同人誌の愛好家から企業ブースの限定グッズ狙いの人、コスプレイヤーやその姿を撮影しようとする人まで、様々な人が会場を訪れた。

 「今年のコミケは会場の気温もそうですが、熱気が凄まじかったですね」と語るのは、C104に参加したアニメファン。「昨年はコロナ禍が明けたばかりということもあり、コロナに警戒しながら参加した人も少なくなかったと思います。今回は完全にコロナ前の雰囲気を取り戻したと感じました」

■あの有名人のコスプレも登場

 毎回注目度が高いコスプレは、全体的にスマホゲーム系のコスプレが人気のようだった。また、露出度が高いコスプレイヤーが目立った。もっとも、それはコスプレイヤーに人気の高い『原神』や『勝利の女神:NIKKE』には肌の露出が多いキャラが多いためだと思われる。

   他には、パリオリンピックで注目を集めた「無課金おじさん」のコスプレが早くも登場。また、SNSをさわがせたのは琵琶を手にした「耳なし芳一」のコスプレ。時事ネタからネタ系まで多彩なコスプレイヤーが集い、訪れた人を楽しませた。

  手描きの色紙を販売するサークルも増加傾向にあるようだ。これは近年人気が高まっているコミッションイベントなどの影響か、手描きの一点物のイラストの人気が高まっているようである。色紙の値段は数千円が相場で、サークルによっては1万円以上で販売されているケースも。

  こうした色紙は同人誌と比べると割高ではあるものの、サークルによっては次々に売れている場面も見られた。対して、スケッチブックに手描きでイラストを無料で描いてもらう“スケブ”の文化は、近年トラブルが相次いだことや、コミケの混雑の影響もあってか、低調傾向のようである。

■外国人の参加者も増加傾向か

 会場を見て回って目についたのは外国人の姿。公式の発表によれば64ヶ国から参加者があったとのことだ。実際に記者が見た印象でも、昨年より明らかに外国人参加者は増加したように思われる。

 円安に伴うインバウンドの増加がコミケにも影響しているのだろう。実際、SNSなどを見るとコミケ目当てに来日した外国人も多かったようで、同人誌を手提げ袋一杯に買い求める人の姿が見られた。また、コミケ後の秋葉原を訪問すると、明らかにコミケ帰りとみられる国内外のファンの姿があった。その一方で、前出のアニメファンはこう語る。

「私は地方からコミケに参加しましたが、コミケ期間のホテルの値段が以前より高くなりました。もともとお盆の前後だったので高かったのですが、近年の値上がりは異常です」

 円安に伴うインバウンドの増加の影響で、普段から東京のホテルは値上がりが続いている。ましてや、お盆の時期は交通費も割高になりがちだ。なかなか地方在住者にとって、コミケは参加しにくいイベントになりつつあるようである。

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