『ヒロアカ』完結 ヴィランたちが残した名言3選……エンデヴァーの罪を糾弾した名ゼリフといえば?

■エンデヴァーの罪を糾弾する衝撃のセリフ

 『ヒロアカ』において、“過去との向き合い方”はさまざまなキャラクターに共通するテーマとなっている。とくに代表的なのが、轟家に関するエピソードだ。

  轟焦凍の父であるエンデヴァーは、オールマイトへの劣等感から自分の息子をNo.1ヒーローに育て上げることに執着し、虐待に近い行為を日常的に行っていた。その最大の犠牲者が荼毘であり、「全面戦争編」においてエンデヴァーを糾弾する一幕は衝撃を呼んだ。

  第290話「ダビダンス」にて、荼毘は世間に向けた映像のなかで自分の出自について明かし、茫然とするエンデヴァーの前で踊り狂う。その頃のエンデヴァーはすでに自分の過ちを反省し、家族仲を修復しつつNo.1ヒーローとして再出発しようとしていたが、荼毘は非情にも「過去は消えない」という言葉を浴びせかけるのだった……。

  エンデヴァーにとっては、自身の罪から逃れることは永遠にできないという呪いのような言葉だが、逆に荼毘の心の叫びとして受け取ることもできる。つまり荼毘はエンデヴァーによって、それだけ深い心の傷を負っていたのだろう。

  「過去は消えない」という言葉は、作品終盤の大テーマを示していると同時に、なんともやりきれない現実の残酷さを表している名ゼリフだ。『ヒロアカ』はヒーローとヴィランの両方を真摯に描いてきたからこそ、説得力のある言葉が紡がれてきた。完結を機にあらためてヴィランの活躍に目を向けて、その切ない生きざまに想いを馳せてみてはいかがだろうか。

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