吉本ばなな最新作、生きる知恵が詰まった長編『下町サイキック』の気になる内容とは
吉本ばななの長編小説『下町サイキック』が7月18日に河出書房新社より刊行された。
日本のどこかにある、とある下町。中学生のキヨカは、最近両親が離婚し、シングルマザーの母と二人暮らし。近所には長い付き合いの「友おじさん」が住んでいて、おじさんが経営する「自習室」を手伝うバイトをしている。小さい頃から目に見えないものが見えてしまうキヨカは、その力を使って自習室を「そうじ」する毎日。
そんなある日、家を出た父が自殺未遂を図ったという連絡が入って――。
1年ぶりとなる長編小説は、瑞々しい視点を持つ少女を主人公に、世界を自分の眼でとらえて生き延びるためのヒントに満ちた作品。吉本本人による「あとがき」で書かれた「大人が瘦せがまんしてでもちゃんと大人だと、子どももちゃんと子どもでいられるのです。」という言葉は本作を象徴するものであろう。
吉本の生きる知恵、暮らしの哲学が詰まった小説世界を楽しめる珠玉の1冊となっている。
■著者略歴
吉本ばなな
1964年東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、95年『アムリタ』で紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞、2022年『ミトンとふびん』で谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版され海外での受賞も多数。近著に『はーばーらいと』など。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。
■書誌情報
書名:『下町サイキック』
著者:吉本ばなな
仕様:46版/上製(ハードカバー)/264ページ
税込価格:1,870円(本体1,700円)
発売日:2024年7月18日予定
ISBN:978-4-309-03195-8
装画:朝倉世界一
カバーデザイン:小田島等
本文デザイン:戸塚泰雄
URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309031958/