【漫画】ひきこもり少年が最後に「ママぁ…」と涙した理由ーーXに投稿されたノンフィクション漫画に反響
――Xに投稿した経緯や手応えは?
鈴木マサカズ(以下、鈴木):大きな反響がありました。ただ、いきなりショッキングな場面があるケースではないので意外にも感じましたね。もしかしたら何かしらの「身の覚え」を感じる方が多かったのかもしれません。
――『「子供を殺してください」という親たち』の作画を担当することになった経緯は?
鈴木:現担当さんからオファーをいただいたんです。その日のうちに電子書籍で原作を購入し、むさぼるように読破しました。連載準備中の漫画があったのですが、それと並行してでも描きたいなと。
まずはタイトルのインパクト、そしてそれに負けない内容のインパクト。これはすごいものを漫画にできるチャンスを得たと思いました。
――押川剛さんによる原作をどう作画に反映させていますか?
鈴木:原作の細かいディテールを汲み取ること、それの妨げになるような演出は避けること。これらを強く意識して反映するよう努力しています。
――「家族」という概念がずいぶん難しくなっている現状を感じますが、鈴木さん自身はどう思われます?
鈴木:他所様のご家庭に関してはわかりませんが、自分にとっての「家族」とは荒波を航海する海賊団みたいなものです。みなで作戦を練り、みなで船の行先を決め、みなで報酬を分ける運命共同体。
ドラクエの「パーティ」といってもいいかもしれません。家族でレベルアップしながら頑張るのはRPG的な楽しみがあります。自分にとって「家族」とはそういうものです。
――本作はダークな内容ではありますが、描いていて辛くなる時などはありませんか。
鈴木:よく聞かれますが、そういう瞬間はまったくありません。楽しいといっては語弊がありますが、興味のあることを描ける喜びのみがあります。ただ「スタッフは大丈夫かな」とたまに思いますが……(笑)。
――Amazonのレビューでも高評価が多いですが、人気の要因をどう考えておられますか?
鈴木:原作者、漫画家、編集者。チームとして全員の思惑がうまく噛み合っているんだと思います。奇跡のチームバランスだと常々思っています。
――今後本作をどう描いていきたいですか?
鈴木:先日チームで食事会をした時に、押川さんがとても魅力のあるネタについて話してくれました。まだまだ“先”があるようです。ですが、こちらは変わらぬ気持ちで漫画にするのみです。