『呪術廻戦』五条悟と乙骨憂太に何が起きた? リカの反応から“入れ替えの謎”を考察
なぜ乙骨は領域内の戦いの記憶を持っていないのか
まだ他の登場人物たちは気づいていないが、リカは何らかの理由で今後起きる事態を正確に把握しているのかもしれない。もし乙骨の死亡が確定していることを先んじて理解しているのだとすれば、その涙の理由についても納得できるだろう。
さらに第262話の描写で不吉なのは、完全顕現したリカの姿が描かれていることだ。もし羂索の術式が単発タイプだとすれば、肉体の移動が終わった際に乙骨の模倣術式が破棄されるはずなので、リカも消えている可能性が高い。
すなわちリカが現存していること自体が、羂索の術式が単発タイプではないこと、つまり乙骨と五条の入れ替えが無事に終わらないことを示唆している……と言えるのではないだろうか。
ちなみに、今回のエピソードでは別の部分で違和感のある描写もあった。羂索の術式は、肉体を乗っ取った際にその記憶が脳に流れ込んでくる仕組みなので、乙骨も五条の記憶を受け継いでいるものだと思われる。しかし小さな領域内での戦いの最中、乙骨は宿儺が領域を展開したまま「領域展延」で攻撃してくることに驚いていた。
宿儺は五条との戦いにおいて、領域展開中に「領域展延」を使っていたため、その記憶を引き継いでいるのであれば当然周知の情報だったはず。それにもかかわらず、なぜ乙骨はこの情報を知らなかったようなリアクションを取っているのか……。
こうした展開の辻褄を合わせるなら、「肉体の記憶が脳に流れ込むまでには時間がかかる」もしくは「すべての記憶が流れ込んでくるわけではない」といった可能性がありえそうだ。だが、もっと突飛な発想として「そもそも肉体の入れ替えはブラフ」という説も考えられるかもしれない。
たとえば、実際には乙骨は羂索の術式によって五条の肉体に入ったわけではなく、憂憂の術式によって魂を入れ替えているだけだとすれば、記憶を引き継いでいないことにも説明が付く。
ただし魂の入れ替えを成立させるには、「五条が実は生存していた」というどんでん返しを挟む必要があるだろう。そのため五条の生存が限りなく絶望的な現状では、やはり“ゼロではない”程度の可能性に留まりそうだ。
リカはなぜ涙を流しながら、持ち主のいなくなった乙骨の肉体に寄り添っているのだろうか。次回以降のエピソードで、乙骨と五条の身に起きている異変が明かされることを期待したい。
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