『鬼滅の刃』胡蝶三姉妹から継国縁壱・黒死牟まで……柱稽古編以降で描かれる“兄弟/姉妹の絆”に注目

『鬼滅の刃』兄弟/姉妹の絆エピソード

※本稿は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。

 いよいよ5月12日より「柱稽古編」が放送スタートになる『鬼滅の刃』。柱稽古編では、鬼との戦闘シーンがない代わりに、鬼殺隊員の日常や、これまで本編に登場しなかった柱たちの過去や人となりが描かれる。

 『鬼滅の刃』の魅力は、炭治郎たちの成長ストーリー、鬼たちとのバトルシーンだけでなく、鬼殺隊員や鬼たちのドラマにもある。本稿では、なかでも「柱稽古編」以降の核となる、「兄弟/姉妹」の絆エピソードを見ていきたい。

しのぶ、カナエ、カナヲ……3姉妹の強すぎる絆に注目

 最初に紹介するのは蟲柱の胡蝶しのぶと、実姉・カナエ、そして継子の栗花落カナヲの3姉妹だ。

 胡蝶カナエは、ロングヘアで左右に蝶の髪飾りをつけたしのぶそっくりの美女で、鬼殺隊の元柱(花柱)だったそう。回想などに出てくるカナエは、明るく優しい性格で、しのぶにとって憧れであり、模範となる存在だ。腹の中では鬼に怒りを抱えている胡蝶しのぶが、常に穏やかな笑顔を装っているのも、姉が生前笑顔を絶やさず、かつては人間だった鬼を哀れんで仲良くさえしようしていたからなのだ。また、しのぶの継子・栗花落カナヲがこの姉妹と出会ったきっかけもカナエで、街で人買いに連れられていたカナヲに最初に話しかけ、最終的に蝶屋敷へ連れ帰り養育することにしたのも彼女だ。

 ちなみに、カナヲが行動指針を決めるためにコイントスをするようになったのもカナエの影響だ。カナヲは幼少期に両親の虐待にあっており、自分の意思を出すこと、1人で決めることがうまくできなくなってしまった。カナエはそんな彼女に、「じゃあ1人の時はこの銅貨を投げて決めたらいいわよ」とコイントスで決めることを提案。この銅貨は、カナヲと炭治郎が仲良くなるきっかけとなったエピソード内にも登場しており、カナヲのキャラクター像を語る上で欠かせないアイテムだ。胡蝶カナエは、実妹だけでなく、カナヲの人格形成や人生にも大きな影響を与えた存在だったのだ。

 こうした過去もあって、カナヲはしのぶ同様にカナエへ強い想いを持っており、形見である蝶の髪飾りを常に身につけている。また、体格や適性もあるのだろうが、花柱だったカナエと同じ花の呼吸をカナヲが使っているのも、実妹にはなれないが彼女の型や意思を継承したいという強い思いの現れなのかもしれない。

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