寿司屋での女性炎上問題から考える「ネットリテラシー」ウェブの世界は「バカと暇人のもの」なのか
■寿司屋を訪れた女性のXが歴史的大炎上
東京の港区南麻布の寿司屋を訪れた女性が、大将に殴られそうになった、という趣旨の長文と写真をXにポストし、波紋を広げている。当初はXに女性が投稿した写真のインパクトがあまりに大きかったため、「こんな寿司屋があることが驚き」「大将はひどい、あなたは悪くないです」「絶対に行かない」などと、大将に対する批判が巻き起こった。女性を擁護するポストが少なくなかったように思う。
ところが、女性が寿司屋で問題行動をとっていたのではないかという疑惑が持ち上がると、事態が急変する。あっという間に、Xは女性に対するバッシングが過半数を占める事態となってしまった。その後、寿司屋を実際に訪れた常連客が大将から聞いた“真相”を投稿すると、ネット住民の女性への攻撃はますますヒートアップ。寿司屋の店名が連日トレンド入りし、歴史的な大炎上状態になっていた。
ネット炎上は一度起こると様々な界隈に飛び火するのが特徴だが、今回の問題も簡単には終わらなかった。寿司屋の客が、高級腕時計やワインボトルをカウンターに置いた写真をInstagramに投稿していたことをネット住民が発見。「寿司屋のカウンターに腕時計を置くのはマナー違反」「不衛生じゃないか」などと、腕時計をカウンターにのせた客、そしてそれを許した大将を叩きまくる第二の炎上事件も起こっている。
実際には、時計好きの常連客が大将の許可を得て行っていることであり、何も問題のない行為である。そのはずなのだが、ネット住民はマナー講師を嫌悪する一方で、実際は「マナー」や「ルール」の観点から他人をバッシングすることがあり、賛否両論が巻き起こった。思えば、コロナ騒動の最中には、単なる「マナー」「お願い」であったはずのマスクが、店に入ったりイベントに参加するために「強制」される事態が相次いでいた。