『HUNTER×HUNTER』キメラアント討伐隊は愚策だった!? “少数精鋭”は正解だったのか
1998年から「週刊少年ジャンプ」にて連載開始して以来大人気となっている『HUNTER×HUNTER』。「念能力」と呼ばれる特殊能力を使い活躍するキャラクターたちはどれも個性的で魅力的だ。本作の中でも絶大な人気を誇る「キメラアント編」では、ハンター協会の会長であるアイザック=ネテロを筆頭に少数精鋭でキメラアント討伐に向かった。
しかし読者の間では、「討伐隊は本当に少数精鋭の方がよかったのか?」と疑問の声も上がっている。今回は読者の間で話題となっているキメラアント討伐隊について掘り下げてみよう。
キメラアント討伐隊は少数精鋭にするしかなかった?
キメラアントは摂食交配という特殊な産卵形態を持つ生物で、捕食対象は人間にも及ぶ凶暴な生物だ。摂食交配とは捕食した生物の遺伝子を取り込み、子孫の遺伝子に反映されるという特徴がある。
主人公のゴン=フリークスや、暗殺を生業とするゾルディック家の3男でありメインキャラクターでもあるキルア=ゾルディック。当初はゴンとキルアでも難なく倒せていたキメラアントだったが、兵隊長クラスのキメラアントであるラモットがゴンとキルアからの念を込めた攻撃を受けたことで念能力を開花させてしまう。ラモットが念能力の存在を知ったことをきっかけにキメラアントの多数は物語が進むにつれて念能力を使えるようになる。
念能力を習得したことで人類にとってますます脅威となったキメラアントの討伐に向けて、ネテロはノヴ、モラウ=マッカーナーシと共に3人という少数精鋭でキメラアント討伐に向かい動きだした。
少数精鋭で結成された討伐隊に対し、ネット上では「ネテロが実力を認めてる十二支んを12人全員呼んだ方がよかったんじゃないの?」といった声などもあがっている。しかしネテロが作中で「中途半端な戦力は敵に吸収される虞(おそれ)がある」という発言をしていることからも、ネテロはキメラアントの摂食交配という特性を考慮して少数精鋭にしたことがわかる。
さらにキメラアント編の時点でハンター協会の副会長を務めていた、十二支んの1人であるパリストン=ヒルがネテロに対し妨害を仕掛けていたこともあり、討伐隊は少数精鋭にするしかなかったのではないだろうかという声もあがっていた。
ネテロが認めるだけの実力を持つ十二支んを呼ばなかったのは、ハンター協会を維持するためにも十二支んの能力を敵に取り込まれるのを避けたいという、ネテロのハンター協会の会長としての思惑があったのかもしれない。