尾田栄一郎に藤田和日郎、空知英秋がラムちゃんを描く!? アニメ『うる星やつら』第2期に話題つないだ豪華企画

『うる星やつら』アニメ第2期で振り返る豪華企画

 アニメ『うる星やつら』の第2期が1月11日深夜、フジテレビ「ノイタミナ」枠ほかでスタート。レジェンド・高橋留美子の代表作のひとつで、昨年には誕生45周年を迎えた人気作の新たな展開に注目が集まる。

 2022年10月から2023年3月まで放送された第1期の好評を受けてのことでもあるが、ファンの期待がじわじわ高まってきたことには、SNS上の施策も影響しているだろう。高橋留美子の公式X(@rumicworld1010)では昨年末まで、アニメの放送日までのカウントダウンを行いながら、豪華作家陣による『うる星やつら』関連イラストを順次公開してきたのだ。

 参加した漫画家は総勢33人。こちらは2023年8月23日発売の「週刊少年サンデー」に掲載されたものだが、Xという開けた場で段階的に公開していくというスタイルが、「次はどんな漫画家が描いたラムちゃんが見られるのか」とファンの期待を高め、アニメ第2期の放送に向けて話題をつないできた。

 あらためて振りかえると、そのラインナップがすごい。第一回の『名探偵コナン』青山剛昌に始まり、あだち充に久米田康治、藤田和日郎、『MAJOR』の満田拓也に『葬送のフリーレン』のアベツカサ、さらには『ONE PIECE』の尾田栄一郎に、『BEASTARS』の板垣巴留&『刃牙』シリーズの板垣恵介親子、空知英秋など、「サンデー」の人気作家を中心に他誌のスター漫画家も巻き込んだ、業界の誰もがリスペクトする高橋留美子ならではの豪華企画だった。

 『うる星やつら』の象徴的キャラクターであるラムちゃんを描いた作品もあれば、思い思いのお気に入りキャラクターを描いたものもあり、また原作に忠実に描くことでリスペクトを捧げた一枚もあれば、作家の個性が爆発した楽しい一枚もある。

 例えば、『うしおととら』や『からくりサーカス』などのヒット作で知られる藤田和日郎は自身のXで、高橋留美子本人から「こういう企画の時は、似てるよりもその先生の絵柄の私のキャラクターが見たいと思う」と聞いたというエピソードを明かし、バッチリ“藤田版ラムちゃん”を描き上げつつ、「イヤイヤ、おれはおれの絵柄のラムちゃんなんてイヤなんすよう先生~~」とポストしていた。

 一方、本企画のラストを飾った『銀魂』の空知英秋は、ラムちゃんを美しく描きつつ、その“電撃”の先に、同じく高橋留美子の大ヒット作『らんま1/2』の早乙女玄馬(パンダ姿)と、『銀魂』に登場するペンギンのような宇宙生物·エリザベスの姿を描写。ともに言葉を発さず「看板」で会話をするキャラクターであり、エリザベスは「パクってすみません」と謝罪、玄馬は「なんでわしまでおしおき?」と当然のツッコミを見せる……という、自虐ネタを交えたユーモラスな作品に仕上げていた。

 新旧の豪華作家陣にも少なからず影響を与えた『うる星やつら』。アニメ第2期で、個性的なキャラクターたちが活躍するラブコメの金字塔をあらためて楽しんでみてはいかがだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる