『進撃の巨人』最終回、エピローグで描かれたその後の“世界” を考察 リヴァイが車椅子に乗っていた理由
アッカーマンの力も世界から失われた?
さらにエピローグでは、アッカーマン一族の設定に関して考察の余地が残されている。ファンのあいだで、ミカサやリヴァイが“アッカーマンの力”を失ったのではないか……という説が議論されているのだ。
アッカーマン一族は常人とは一線を画した身体能力をもち、異常な筋力や回復力を有している。また「道」を通じて、過去にアッカーマン一族が積み重ねてきた戦闘経験を継承することも可能らしい。この不思議な力は、アッカーマン一族が「巨人科学の副産物」であり、人の姿のまま一部の巨人の力を引き出して使えることに由来するという。
しかし作中の世界では、ミカサの決断をきっかけとして巨人の力が一切消滅している。だとすれば、アッカーマン一族に宿った巨人の力も一緒に失われたという解釈が成立するだろう。
よく考えてみれば、エピローグでリヴァイが車椅子姿になっていたのは、そうした変化をさりげなく暗示するための描写だったと言えるのではないだろうか。アッカーマン一族の特性が残っていれば、リヴァイが1人で歩くことができるまでに回復していてもおかしくないからだ。
もしリヴァイが力を失っていたとすれば、ミカサも同様のはず。かつての仲間たちの新たな旅路に加わらず、1人別行動をとっていたことについても、そうした背景から理解できるかもしれない。
巨人をめぐる戦いが終結した後、一体どんな世界がやってきたのか。作者・諫山創が、いつかその詳細の一端だけでも明かしてくれることに期待せざるを得ない。
【写真】「別冊少年マガジン」12月号発売の付録は『進撃の巨人』特製クリアファイル