秋アニメは「転生」を題材にした人気原作が充実 「新鮮な視点」「予想外」視聴者が絶賛する作品とは?
2023年の秋アニメが続々とスタートした。今回、新規でスタートしたアニメは「転生」を題材にしたアニメが豊作だと話題になっている。視聴を迷っている方のために、注目したい転生作品を紹介していこう。
人間関係の変化が見どころの2作品
10月2日にスタートした『私の推しは悪役令嬢。』は、転生ものと悪役令嬢ものという今のトレンドが詰まった作品だ。主人公は元社畜OLで、プレイしていた乙女ゲームの世界にヒロインであるレイ=テイラーとして転生する。転生先ではオレ様系キャラ・ミステリアスなクール系キャラ・腹黒系キャラと、タイプの違うイケメンに囲まれ、乙女ゲームならではのヒロインを毛嫌いする“悪役令嬢”も登場する。
しかし主人公がプレイ中に推していたのはイケメンたちではなく、悪役令嬢クレア=フランソアだった。そのため、クレアからのいじわるも“ご褒美”と認識しており、全く堪えていない。推し(=クレア)に少しでも近づこうとするレイの物語は、公式でガールズラブコメディと表現されるほどコミカルだ。
視聴者からは「今はコメディー色が強いけど、ここから百合ラブコメに変わったら嬉しい」「悪役令嬢を好きになるのは新鮮な視点」と好評な声が多く、百合アニメとしても期待が寄せられている。
反対に10月14日にスタートした『クズ悪役の自己救済システム』は、男性同士の関係性がメインになる。主人公・沈垣は、生前に不満を抱いていたトンデモ小説の世界に転生してしまう。しかもその小説で“クズ悪役”と呼ばれ、悲惨な運命が待ち受けているキャラクター・沈清秋になってしまった。沈垣は転生システムのルールを守りながら、何とか小説の主人公・洛氷河を正しく育成することで生き延びようとする。
同作には女性キャラクターも登場するが、物語の中心となるのは沈清秋と洛氷河の関係性で、どちらも男性だ。沈清秋が変わったことで、洛氷河がどう変わっていくのかが見どころの1つだろう。
ちなみに同作の原作者は墨香銅臭で、アニメ『魔導祖師』の原作者でもある。デビュー作『人渣反派自救系統』をアニメ化したもので、アニメのX(旧Twitter)公式アカウントが使用している“アニメさはん”というハッシュタグは原作小説のタイトルに由来している。2020年にWOWOWで字幕版が放送されていたこともあり、ファンからは「吹き替え版待ってた!」「日本語版が分かりやすくて面白い」と歓迎されているようだ。
珍しい設定を楽しみたいなら……
10月7日にスタートした『豚のレバーは加熱しろ』は、さまざまな設定が出てくる転生もののなかでも異色といえる。主人公は豚のレバーを生で食べたことがきっかけで、意識を失い異世界に転生する。しかし、転生したのは豚。当然人の言葉は話せない。そんな主人公を助けてくれたのが、“人の心を読む力”をもつ少女・ジェスだった。
豚と美少女のラブファンタジーというのは、設定としてかなり独特だろう。ちなみに原作小説は第26回電撃小説大賞「金賞」を受賞しており、2023年10月には8巻が発売された。アニメ版では「松岡さんが豚を演じてるのが一番おもしろい」「松岡さんの良さを余すところなく発揮しててエグい」と、松岡禎丞の豚役が好評だ。
ほかにも、10月7日スタートの『ポーション頼みで生き延びます』も転生ものだ。「AパートもBパートも、予想外の展開で楽しめた」「主人公の行動がタイトルから想像できない」など、タイトルから予想される内容と物語の方向性が違うと話題になっている。
多様な設定が楽しめる転生ものアニメ。気になるものから視聴してみてはいかがだろうか。