文学界最後の巨匠・筒井康隆「最後の作品集」が話題騒然『カーテンコール』に注目

文学界最後の巨匠・筒井康隆が新作

 作家・筒井康隆の最新作『カーテンコール』が11月1日、新潮社より刊行される。著者自ら、60年を超すキャリアを締めくくる「最後の作品集になるだろう」と明かしており、文学界や愛読者たちの騒然たる話題に。このたび発売前重版も決定した。

 読者への〈最後の挨拶〉である『カーテンコール』はエンタメ精神あふれる全25篇もの掌篇小説集。人魚に恋する男を描く「横恋慕」 、猛獣に襲われる村の恐怖「羆」、タイムマシンで連れてきた古代人に美食をさせる「美食禍」、『時をかける少女』『パプリカ』など代表作の主人公たちが病床の作者を訪れる「プレイバック」などなど、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだツツイ・ワールドにどっぷり浸れる怒濤的傑作ばかりだ。

 長年の筒井文学の愛読者である小川哲(作家)は 下記のように評している。(「『レイト・ワーク』の先までも」「波」11月号より) 

「『カーテンコール』はそのタイトルに相応しく、著者の集大成ともいえる作品集だ。下品な笑い、不謹慎なギャグ、ドタバタに抒情、そして不意にやってくる感動と、これまでの筒井作品に見られた作風がふんだんに詰め込まれている」

「今年の三月には大江健三郎が亡くなり、筒井康隆は「巨匠」と呼ぶことのできる最後の人物になってしまった。その意味を問い直すことが、本作における最後にして最大の実験と呼べるかもしれない」 

■書籍内容
『カーテンコール』 
巨匠の最後の挨拶(カーテンコール)は、25篇もの怒濤的傑作掌篇小説集! 
著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者「信じていません!」)。筒井文学の主要登場人物が打ち揃う「プレイバック」をはじめ、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだ、痙攣的笑い、恐怖とドタバタ、胸えぐる感涙、甘美な夢のごとき抒情などが横溢する圧倒的傑作掌篇小説集爆誕! 

■著者紹介 
筒井康隆(ツツイ・ヤスタカ) 
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。1997年、パゾリーニ賞受賞。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。2002年、紫綬褒章受章。2010年、菊池寛賞受賞。2017年、『モナドの領域』で毎日芸術賞を受賞。他に『家族八景』『敵』『ダンシング・ヴァニティ』『アホの壁』『現代語裏辞典』『聖痕』『世界はゴ冗談』『ジャックポット』等著書多数。 

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