「鈴木亮平が最高!」『シティーハンター』実写映画化、なぜ原作ファンも好意的? 世界観やキャスティングから考察

『シティハンター』実写映画化、なぜファンは好意的?

 北条司による人気コミック『シティーハンター』がNetflixで実写映画化されることが明らかになった。同作の実写映画が日本で制作されるのは初めてのことで、SNS上の反応から、ファンからの期待が高まっていることがわかる。

 漫画の実写映画/ドラマ化について、一般的にファンからは否定的に捉えられることが多く、先日、同じくNetflixで『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)が実写映画化されるとの報道に際しては、SNS上で「頭抱えてる」「嫌な予感しかしない」などネガティブな反応が目立った。なぜ今回は好意的に捉えられているのか。

 当然ながら、ひとつには冴羽遼という超人的な能力を持った主人公が活躍する作品とはいえ、舞台設定にファンタジーはなく、(少なくともビジュアルの面では)実写化のハードルが低いことが挙げられるだろう。ファンタジー色の強い人気作については、ハリウッドでの実写映画化が辛辣な評価を受けた『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009年)の例もあり、作品のイメージが崩れることを懸念する声が大きくなりがちだ。先の『僕のヒーローアカデミア』においても、その傾向が顕著に見られた。

 また、本作には海外で実写映画化の前例があり、そもそも日本での制作に期待が高まっていたという経緯もある。特に、原作の再現度は別としてジャッキー・チェンという世界的スターが主演を務めた香港映画『シティハンター』(1993年)、原作への深い愛情を持つフィリップ・ラショーが監督・主演を務めたフランス映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019年)は良作に仕上がっていた。そうしたなかで、多くの原作ファンは実写映画化に慣れており、純粋に「新宿を舞台にした『シティーハンター』が見られる」というよろこびを感じているように思える。

鈴木亮平、原作ファンはどう捉えた?

 そして、主人公・冴羽リョウ役として、鈴木亮平のキャスティングが発表されたことも大きい。役作りへの真摯な取り組みで知られ、『変態仮面』(2013年『HK 変態仮面』/2016年『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』)ですら全力で演じ抜いた鈴木は、漫画フリークからの信頼も厚い。その上、鈴木はことあるごとに『シティーハンター』のファンだとを語っており、2014年8月30日に「シネマカフェ」に掲載されたインタビュー「鈴木亮平<後編> 緻密に、本能のままに、カッコ悪く!」では、「子どもの頃からずっと『シティーハンター』の冴羽りょうを演じてたいと思ってるんです」と明かしている。ルックスの良さはもちろん、フィジカルが強く、“下ネタ”にも対応でき、作品への愛情を持った鈴木亮平は、本作の主演として適任というほかないだろう。

 「ファンに歓迎される」ことがすなわち実写映画化の成功ではないが、原作へのリスペクトがこのようにわかりやすく伝われば、少なくとも「人気IPを利用したビジネス」という冷めた見方をされるリスクは極めて低くなる。『シティーハンター』も多くの熱心なファンを抱える作品だけに、今回の映画が公開後にさらに大きな盛り上がりを生む名作になることに期待したい。

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