『キングダム』信・羌瘣・河了貂、李牧・カイネ・傅抵……気になる三角関係と恋の行方を占う

※本稿は『キングダム』最新話のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 秦国から中華統一を目指す漫画『キングダム』。迫力の合戦シーンや巧みな戦術による逆転劇が人気の理由のひとつだが、戦場だからこそ芽生える男女の恋愛模様も気になる人が多いのではないだろうか。

 例えば、主人公の信は、飛信隊軍師の河了貂や羌瘣と、李牧もカイネや傅抵と、楊端和は壁とバジオウと三角関係にある。そこで本稿では、この3組の恋愛模様がどう発展していくのかを考察していきたい。

 まずは、信、楊端和、カイネそれぞれを中心とした三角関係について。楊端和といえば、その圧倒的な強さで山界の民族を束ねる王。誰が彼女の旦那に選ばれるのかに注目が集まるが、その候補として名前が挙がるのが、秦の将軍である壁とバジオウである。

 壁は、嬴政が山の民に同盟の申し出を直談判する際に同行し、その際に楊端和の美貌に惚れ込んでいる描写がある。その後も度々戦場で共闘するなど、平地の民の中で楊端和と最も近しい存在だ。

 一方バジオウは、幼少期から楊端和と山界の統一のため戦場を駆け回っていた古くからの側近。橑陽城攻略戦に勝利後、シュンメンのバジオウが息を引き取ったという冗談に本気で怒りを見せていたことからも、強い信頼関係が伺える。

 作者が参考にしている史記をみてみると、楊端和の性別や夫については記されていない。さらに壁も、史実と照らし合わせるとストーリーの序盤に死んでしまうはずだった。バジオウに関しては完全なオリジナルキャラ。という点を踏まえると、現時点では作者のみぞ知る恋路といったところだろうか。

 続いて李牧を中心としたカイネ、傅抵の三角関係だ。カイネは強い忠誠心で李牧を献身的に支えている。そんなカイネに対し李牧は「そばにいてくれませんか」「全てが終わったら一緒に雁門に帰りましょう」と伝えており、彼にとって精神的支柱であることは間違いないだろう。一方で傅抵はカイネに直接的にアピール。しかしカイネは軽くあしらったり殴ったりと、好意を受け取る様子はない。

 このままいけばカイネと李牧が結ばれる想像ができる。しかし、史実通りなら李牧の享年は紀元前228年。768話では、紀元前232年に起こった番吾の戦いに向けて準備している様子が描かれているため、李牧に残された時間は4年程度しかないことになる。

 しかし、『キングダム』には作者によるオリジナルストーリーも盛り込まれているため、李牧が死なない世界も十分考えられる。趙は滅びるも、李牧とカイネは存命。共に雁門に帰り、静かに暮らせる世界が存在する可能性もなきにしにもあらずといったところか。

 最後に信を中心とした羌瘣と河了貂。信は河了貂を女性として強く意識している様子はなく、妹みたいなものだと話している。その河了貂はというと、捕虜となった際に凱孟に「あいつと一緒に幸せになりたい」というセリフや、信と羌瘣の会話に嫉妬している姿が描かれているため、好意はあると見ていいだろう。

 一方、羌瘣は信を蘇生する秘術を発動した際に、命を全て渡しても死なせたくない人物だと発言。768話では信が羌瘣に「この中華統一の戦争が終わったら、俺と結婚してくれないか」とプロポーズしているが、羌瘣は返事を保留としている。

 では信の妻は誰なのか。史記に記載されている、「李信は高位の人と子をもうける」という記述と、「将軍として羌瘣が楊端和と名を連ねている記述」を参考に考察してみよう。

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