『ブルーロック』なぜ最もイカれたサッカー漫画? 圧倒的エゴイズムと超絶な神技の魅力
世界一のエゴイストでなければ世界一のストライカーにはなれない
これまでにないサッカー×サバイバルゲームの要素が入った『ブルーロック』に戸惑いを見せる読者もいる。本作で求められるのはチームプレイではなく、圧倒的な“個”であり“エゴイスト”であること。
サッカー人生をかけた戦いのため、極限状態に陥ったキャラクターたちは時に手段を選ばずライバルを出し抜き、罵り合う。そんな過激な描写に最初は戸惑うかもしれない。しかし本作のような新しいサッカー論に触れることで、新しい気づきが生まれる可能性がある。これまでとは違った視点からの切り口は斬新で、作品が支持される理由のひとつとなっている。
『ブルーロック』には個性的なキャラクターが多く登場することも魅力のひとつだ。高校サッカー界では無名のストライカーであった潔世一は取り立てて特徴のない選手だった。もともとはチームプレイ重視で自分の“武器”がわかっていなかった潔だが、『ブルーロック』で厳しい選考を重ねるうちに自身の強みを見つける。
そんな潔を中心に、マイペースで自由奔放なサッカースタイルの蜂楽廻(ばちらめぐる)や、『ブルーロック』のトッププレイヤーで超エゴイストの糸師凛(いとしりん)などが世界一のストライカーを目指して戦う。
本作品は個性的なキャラクターに加え、神がかり的な技も多く登場する。代表的なものが、凪誠士郎が決めた神業「二段式空砲直蹴撃(にだんしきフェイクボレー)」だ。一旦ボレーを打つと見せかけて上に浮かせ、一回転してから落ちてきたボールを再度ボレーシュートで決めるといったもの。
その難解な技を再現しようと、SNS上では技をまねて動画をアップするファンが増え話題となっている。二段式空砲直蹴撃は元日本代表選手も再現に挑戦し、盛り上がりを見せた。
アニメ版を担当した有澤亮哉プロデューサーは、登場する技について「めったにできないけど、ちゃんとできる技しか出てきていない」と明かしている。ストイックに練習をすれば現実世界でも再現できるという点が、ファンを魅了する理由でもあるようだ。
日本国内のみならず、海外でも人気が拡大している『ブルーロック』。若者たちの究極の戦いをぜひチェックしてみてほしい。