【漫画】親しくない同僚の結婚式、ご祝儀はもったいない? 職場の「あるある」描く動物漫画に共感


――反響はいかがですか。

都会:共感の声が多かったです。「会社の仲良くない人にご祝儀をあげるのはちょっと……」、「この制度自体がどうなんだ」という声もいただきました。

――物語の着想についても教えてください。

都会:『憂鬱どうぶつ(株)』シリーズ全体が会社員時代の実体験をもとにした話なんですよ。人間で描くと嫌な話になってしまうので、登場人物を動物にしてギャグ調で和らげていますね。会社を辞めて晴れやかな気持ちでしたが、働いてないと感覚が鈍ってきて、ネタが切れてしまうんじゃないかと心配な時もあります(笑)。

――ということは、主人公・ぶー子は都会さん自身を投影させているんですか?

都会:基本的にはそうです。色とか形が可愛いので、個人的にもブタが好きです。ちなみにモグラは憎めないのと生き物として面白いので登場させています。

――演出のこだわりなどは?

都会:他人事のあさみさんが、最後は自分も誘われてしまうエンディングは工夫しながら描きました。あとは複雑なものが描けないので、少ない線で上手く表現できるようにチャレンジしていますね。ブタは目と眉毛、鼻しかないので落ち込む時は下に配置したり、ささやかな工夫をしています(笑)。

 またセリフをできるだけ面白い言い回しになるように考えて工夫しました。時には類語辞典を使うこともあります。

――印象的なタイトル『憂鬱どうぶつ(株)』と、作品の方向性はどのように考えたのでしょう?

都会:このシリーズについては憂鬱な気持ちが共通したテーマかなと思ってタイトルを決めました。あとは人間が描けないから動物をモチーフにしたのもあるかもしれません。もともと自分がギャグだと思って制作した作品が「暗いね」と言われることが多かったんです。それもあり、「どうせそう思われるならコメディを描こう」と。

――幼少期の環境も影響があるのでしょうか。

親が映画を観る人でジャンル問わずに色々な作品を観たせいか、絵を描くよりも話を考える方が好きなんですよね。ただ、人に絵を任せて原作を務めるほどでもなく……。描ける範囲でできるところからやっている感じ。

――このシリーズで今後描きたいものは?

都会:シリーズは辛くなった時に「読んでよかったな」と思ってもらえる話を詰め込められたら、と考えて今後も描いていきます。あとは今後ナマケモノやカッパも登場させようかなと(笑)。動物なのかよくわからないものも描いていきたいですね。またシリーズとは別に、日常だけど少し不思議な感じの短編も描いてみたいと思っています。

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