『さみしい夜にはペンを持て』著者・古賀史健×教育YouTuber・葉一対談 ぼくらが中学生に「書くこと」を推す理由
「書くことは頭の中の整理整頓」(葉一)
――まさに本書のテーマのひとつに「書くこと」のススメがあります。日記を書くことで、言葉にならなかった思い、考えるに至らなかった気持ちが整理される。実際、お二人にとって「書くこと」って、どんな意味があると思われていますか?
古賀:こうしてインタビューを受けながら言うのも何ですが、ぼくは話すのが得意ではないんですね。友達と食事しながら楽しく会話はしていても、家に帰ってから「ああ、もっとあの話したかったな」とか「余計なことを言っちゃったな」なんて、会話だと、くよくよすることのほうが多い。けれど、書くことに関しては、くよくよする余地がないんですね。
――書くときは「くよくよ」しない?
古賀:ええ。誰にも邪魔されず、何度も書き直せますからね。言い過ぎちゃったと思えば、消しゴムで消せばいい。したかったあの話も忘れずに書いておけます。ぼくにとっては書くことが、最もストレスなく、自分の思いを形にできる手段で、自分のことをじっくりと考え、捉え直せるかけがえのない時間なんです。
――なるほど。葉一さんは、「書くこと」をどう捉えていますか?
葉一:頭の中の整理整頓、ですね。どうしても、子どもたちに向けた目線になってしまうのですが、彼らが向き合っている悩みって、算数や理科と違って、「答えがない」ものがほとんどなんですね。たとえば、志望校ひとつとっても、本当にその子自身にフィットする学校なんて、入ってみて、どう過ごすかで変わってくる。勉強法なども「最適解を教えてほしい」と頼る子が多いんだけれど、やっぱり答えなんてないですよ。結局は自分で決めないといけない。
ただ、そういった最適解がない問いを、頭の中だけで決めようとすると堂々巡りしやすい。だから子どもたちには「ぐるぐると思いが巡る瞬間を、書いて記録してみたらいい」と伝えています。志望校で悩んでいるなら「大きめの裏紙を持ってきて、いま思いつく志望校を全部書いてみて」と。さらに「それぞれの学校に進んだ場合のメリット・デメリットを書いてみて」と言う。それだけで、頭の中に浮遊するだけだった悩みが、情報として整理されていく。あとからそれを読み返すと、見える世界が変わってくると思うんです。
――まさに『さみしい夜にはペンを持て』で、ヤドカリおじさんがタコジローに「筆算と同じで、書くことは考えることになる」「その時点での答えになる」と伝えているのに近いですね。
古賀:葉一さんがおっしゃったように、自分で書いたものを後日読み返す。場合によっては、付け足したり、書き直したりできる。その作業によって、書くことが心の整理整頓につながる要点なんですよ。それを書いたのは自分だけれど、読み返すときはひとりの読者になる。書くときは主観でとらえていた悩み事も、読者になった途端、客観的に触れられる。この主観と客観を入れ替えが、書くことならではのメリットだし、答えのない悩みを解消できる手立てになる理由だと思います。
葉一:わかります。私自身、実はYouTubeの動画の脚本やプロットは一切書かずに、頭の中だけで組み立てているのですが、仕事のことで悩んだりしたら、裏紙を持ってきて、書き出すんです。そして、読むと整理される。子どもたちに言っていることは、基本的に自分がしていることなんですよね。
古賀:一緒です。ぼくもこの本に書いたことは、自分が普段やっていることがベースになっている。本心から思っていること、本当にやっていることじゃないと、それこそウソが見抜かれますよね。
――ところで、お二人の中学時代はどんな少年だったのでしょう?
葉一:あ~。私の場合、中学時代は「THE病み期」でしたね(笑)
後編はこちらから
『さみしい夜にはペンを持て』著者・古賀史健×教育YouTuber・葉一対談 ぼくたちの”悩み多き”中学時代のこと
「書くこと」は、見えづらい自分の心を見つめ直すことになる。 自分の頭で考えて、バラバラの心と体をつなげられ…
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