『北斗の拳』40周年、ラオウ編最強説 読者の胸を打ったエピソードとは
1983年に「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった『北斗の拳』は、2023年に40周年を迎えた。主人公のケンシロウをはじめ多くのキャラクターが登場するが、最も有名な敵を挙げるなら「ラオウ」と答える方が多いのではないだろうか。ネット上ではラオウ編までが作品のピークという声もある。
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ラオウ編以降、読者にインパクトを与えたのは?
「ラオウが死んで以降は行き当たりばったり感がある」「ラオウ編までは間違いなく名作」との声もあるが、裏を返せばそれだけラオウがそれだけ魅力的だったということだろう。当時を代表する作品の中で、敵であるラオウは主人公のケンシロウに匹敵するほどの人気を誇っていたほど。
しかしラオウ編以降についても、「話自体は結構面白いんだけどな」という声も上がっている。評価が高いエピソードとして、ネット上には「天帝編のアインが良かったよね」「アインの死は泣ける……」と、天帝編を挙げる声が多い。アインはケンシロウを狙う賞金稼ぎとして登場したが、一人娘を愛する父親としての顔ももつキャラクターだ。バットたちと行動する中で絆を深め、最期は仲間や娘のために命を懸けた。
また賛否両論あるものの、サヴァ編も「王と三兄弟の話は相当いい話」「最期に、父親を安心させるための三兄弟の芝居は泣ける」と評価する声もある。アインの行動も含め、キャラクターの命を懸けた行動は読者の心を動かすのかもしれない。
ケンシロウと戦ったキャラクターの中では、修羅の国編のハンを推す声が多い。「ハンはキャラ的に結構好き」「あのダンディズム、疾風の拳のインパクトも良かった」など、読者の記憶に残るキャラクターの1人になっているようだ。また、ブランカ編のバランについても「自分がやったことへのけじめをつけたのは良かった」と評価する声がある。
バットの行動は多くの読者の胸を打った……
ラオウ編がピークとしつつ、「最終巻だけは読んでおくべき」「バットの生き様だけは見ておいた方がいい」という声もある。
『北斗の拳』最後のエピソードとなるボルゲ編では、ケンシロウとリンのためにバットがまさしく命がけの行動に出る。復讐に燃えるボルゲからケンシロウを守るため、自らケンシロウの身代わりになったのだ。「バットが漢を見せるところが泣ける」と、バットの行動に胸を打たれた読者は少なくないようだ。
そんなバットの行動に対し、ケンシロウが「お前は俺にとって弟だ」というシーンも読者に大きなインパクトを与えた。「北斗の兄弟であんなに争ってきたケンシロウが、バットを弟だと言い切るのはバットを心から認めているってこと」と、壮絶な戦いの後だからこそケンシロウの言葉が重みをもっている。
ちなみに作者の武論尊氏は「ラオウが死んだ後、その翌週から続きを書かされるとは思わなかった」と語っている。「ラオウの最期を書き上げた達成感を味わう間もなく、次の話を書かなくてはならず必死だった」と当時を振り返っており、「第2部で自分がなにを書いたかを完全に(頭から)消した」とも……。作者にとっても、『北斗の拳』にとってラオウの存在が非常に大きかったことを物語るエピソードだろう。