『るろうに剣心』アニメ化決定 期待されるのは原作者・和月伸宏と最新技術による1話からの再構築

『るろうに剣心』アニメ化が決定

 和月伸宏の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(以下、『るろ剣』)のテレビアニメの新作が放送されることになった。2023年7月から、フジテレビの“ノイタミナ”ほかで放送される。『るろ剣』は1994年~1999年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載され、当時の「ジャンプ」を牽引した人気作。これまでシリーズ累計で約7200万部を突破している。

 1996年には初めてテレビアニメ化され、主人公の緋村剣心を涼風真世が演じたことも話題となり、JUDY AND MARYが歌ったオープニング主題歌『そばかす』はミリオンヒットとなるなど、社会現象となった。今回のテレビアニメは約27年ぶりとなる完全新作で、最新のアニメ技術を駆使し、第1話から再構築するという試みだ。

 監督を山本秀世、シリーズ構成は倉田英之が務めるほか、原作者の和月伸宏がキャラクターデザインやシナリオなど全編に渡って完全監修する。キャスト陣も一新され、緋村剣心役を斉藤壮馬、神谷薫役を高橋李衣、明神弥彦役を小市眞琴、相楽左之助役を八代拓が担当する。

 『るろ剣』は海外でも人気が絶大で、原作の連載終了後もOVAが発売されたり、佐藤健の主演で実写映画化、さらに宝塚歌劇団でも演じられるなど、根強い人気を誇る。2017年には新作漫画となる「北海道編」の連載が「ジャンプスクエア」で始まっている。

 近年、1980~90年代の少年漫画黄金期を彩った名作が、相次いでアニメ化が決定している。3月17日には『キン肉マン』のアニメ放送40周年を記念して、アニメ新シリーズの制作が発表されたばかりだ。

 こうしたアニメ化が相次ぐ背景には、連載開始から30周年など、メモリアルイヤーとなる作品が多いことが挙げられる。また、リアルタイムで原作を読んでいた世代が30~40代となり、企画を動かせる立場になっていることも大きいだろう。かつてはアニメと漫画は別物と考えられ、アニメに原作者がノータッチである例が少なくなかったが、近年は原作者が深く監修する例が多い。こうした変化にも、質の高いものを生み出そうとする企画側の強い思い入れを感じる。

 『るろ剣』は斎藤一の必殺技「牙突」や、敵キャラ・武田観柳の回転式機関砲(ガトリングガン)など、ユニークな技や武器なども当時のジャンプ読者を虜にした。斎藤一や四乃森蒼紫など、女性ファンが多いキャラも多い。見どころ満載の不朽の名作が令和の時代にどのような形で表現されるのか、放送日を楽しみにすることにしよう。

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