未知への扉をひらく「ハヤカワ新書」2023年6月創刊 読書の楽しみ広げる魅力的な企画に注目

未知への扉をひらく「ハヤカワ新書」創刊

 早川書房が新書レーベル「ハヤカワ新書」を2023年6月に創刊することを発表した。早川書房のノンフィクション分野ではこれまで、主に海外の最先端の動向・知見をいち早く日本の読者に伝えるべく、サイエンス、人文、ビジネスなどのジャンルで時代の一歩先をゆく翻訳書を刊行してきた。今回創刊するハヤカワ新書では日本の著者による書き下ろしを中心に、新たな世界を知る喜びを読者に届けていく。

 創刊ラインナップは、モデルの滝沢カレンが古今東西の名作小説のタイトルから発想を飛躍させて物語をつむぐ『馴染み知らずの物語』や、エラリイ・クイーンやアガサ・クリスティーの作品から英語を学べる越前敏弥『名作ミステリで学ぶ英文読解 』など全5点。SFやミステリの視点も生かした新しい切り口によって、読書の楽しみをさらに広げる書籍を企画している。

 装幀・レーベルロゴはジャンルを超えて幅広く活躍しているグラフィックデザイナー・佐々木俊によるもの。普段見ている世界の解像度を上げる・新しい世界を覗き込むことができるレンズをモチーフにしたロゴ・カバーデザイン。「ハヤカワ新書」をひらくたび、未知への扉がひらく――そんな新書を届けてくれるはずだ。

■6月創刊時のラインナップ

・越前敏弥『名作ミステリで学ぶ英文読解』
名作ミステリは原文も謎だらけ。手ごわい英文を精読し、読解力をきたえる「ミステリの女王」ことアガサ・クリスティーや、「シャーロック・ホームズ」の生みの親、コナン・ドイル、さらには本格ミステリの巨匠エラリイ・クイーンの「かなり手ごわい」原文を取り上げ、英文読解のポイントを解説する。対象としては高校生程度の知識があれば可能。また、翻訳のテクニックや作品のおもしろさに言及するコラムも設け、英文読解能力を鍛えつつ、ミステリファンにも新たな角度で作品を楽しんでもらえる一冊。

・土屋 健『古生物出現! 空想トラベルガイド』
ナウマンゾウと散歩、潜水艇でアンモナイト見物、スピノサウルスとお食事タイム。もしもナウマンゾウやカムイサウルスが現代の日本の街を闊歩していたら? 架空の旅のガイドブックを通して、日本全国から化石の発見が相次ぐ古生物天国・ニッポンの魅力を味わい尽くす。本書を手に取って、古生物と触れ合う旅に出てみよう。

・滝沢カレン『馴染み知らずの物語』
『変身』も『わたしを離さないで』も全部、カレン流。ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた――!? カフカの『変身』やカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』が大変身。古今東西の名作のタイトルをヒントに、滝沢カレンが新しい物語をつむぐ。オリジナルを知らない人も楽しめる一冊。各作品の解説付き。

・藤井直敬『現実とは?──脳と意識とテクノロジーの未来』
脳に気づかれることなく「現実」を操作できる時代、あなたにとって「現実」とは? 「現実」って何? この当たり前すぎる問いに、解剖学者、言語学者、メタバース専門家、能楽師など各界の俊英が出した八者八様の答えとは。あなたの脳をあらゆる角度から刺激し、つらくて苦しいことも多い「現実」を豊かにするヒントを提供する知の冒険の書。

・石井光太『教育虐待──子供を壊す「教育熱心」な親たち』
勉強が終わるまでトイレ禁止、無数の栄養ドリンク……子供部屋で何が起きているのか。教育虐待とは、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為だ。それは子供の脳と心をいかに傷つけるのか。受験競争の本格化から大学全入時代の今に至るまでゆがんだ教育熱はどのように生じ、医学部9浪母親殺害事件などの悲劇を生んだのか。親子のあり方を問う。

■「ハヤカワ新書」について

【刊行スケジュール】6月に5点、7・8月に各3点、以降、隔月で第3月曜日配本・火曜日発売予定
【仕様】新書判(タテ173ミリ・横105ミリ)
※変更の場合もございます。

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