ココイチのカレーが1年間何度でも10%オフ? 気になる特典で飲食チェーンの“ファンブック”が好調

ココイチのファンブックが好調

 本日1月18日発売の『CURRY HOUSE CoCo壱番屋 FAN BOOK』(宝島社)が、Amazonランキング(和書総合)で1位になるなど絶好調だ。

 本書では人気カレーチェーン「CoCo壱番屋」(ココイチ)のグランドメニューガイドをはじめ、カレー&トッピング組み合わせランキングやご当地カレー/懐かしの名作カレーなど、商品を一望できる企画を掲載。また、“ココイチファン”として知られる髙嶋政宏、ももいろクローバーZ・高城れにのインタビューや、ココイチトリビアなど盛りだくさんの内容だ。

 一方で、多くの読者のお目当ては付属の「SPECIALパスポート」と見られる。対象は店内飲食に限定されるが、2024年1月31日まで何度でも、会計が10%オフになるという強力な特典で、税込990円(書籍代)で受けられるサブスクリプションサービスのようなイメージだ。

 1年強で1万円分の食事をすれば元が取れ、単純に同じメニューを注文すれば10食で1食が無料になる計算。週に何回も通うココイチファンでなくても、生活圏に店舗がある読者にとっては相当ありがたい特典だといえる。2022年2月末時点でココイチは全都道府県に店舗を構えており、コロナ禍以降も店舗数を大きく落とすことなく、フランチャイズ店に関しては微増を続けている。1位の愛知県には194店舗、東京都には169店舗存在し、SPECIALパスポートの恩恵を受けられる読者は多いだろう。

 ネットやアプリで無制限に配布するクーポンとはまた違い、「ファンブック」という形態をとることで読者の思い入れを強め、パスポートで店舗の利用頻度を上げる本シリーズは、広告商材としての価値が高そうだ。宝島社の同シリーズでは、これまでも吉野家やはなまるうどん、築地銀だこに串カツ田中などのファンブックが発売されてきたが、特典はいずれもなかなか豪華な内容。会計オフのほか、通常の20%増額でチャージできるプリペイドカード(吉野家)、トッピング&ハイボール1杯無料(銀だこ)など、長期間サービスを受けられる特典で注目を集めてきた。

 飲食店以外では1月11日、『カラオケBIG ECHO』のファンブックが刊行されており、こちらの特典は2023年12月15日まで、会計総額から20%オフ(会員割引併用可)というもの。店舗ビジネスの上、基本的に閉鎖的な空間での「歌唱」が前提となるカラオケはコロナ禍で大きなあおりを受けた業界であり、サービスの進化や魅力を伝えつつ、特典で集客するファンブック企画のメリットは大きいだろう。

 もちろん、“出版不況”が叫ばれて久しいなかで、発行元にとっても価値の高いシリーズになっていると考えられ、現状、読者も含めた3者にとってそれぞれに意味のある取り組みだといえる。今後も続々、同じモデルで書籍が刊行されていくことだろう。

 直近では2月1日、カフェ&ダイニングバー『PRONTO』のファンブックが発売される予定で、内容は未発表だが、やはり長期間、何度も使える「SPECIALパスポート」が付属するという。高頻度で通っているチェーン店がある人は、ファンブックの刊行に期待しよう。

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