「コミックマーケット」同人誌即売会の企業ブースのパンフレットがなぜAmazonランキングの上位に? 一体何が書かれている?

コミックマーケット 101 企業ブースパンフレット

 12月30日、31日の2日間にわたって開催される「コミックマーケット101」の企業パンフレットが、Amazonのデイリーランキングの上位に食い込んでいる。企業パンフレットは出展企業がどこにいるのかわかるように、マップがついたカタログとなっている。開催期間中に約50万~60万ともいわれる人数が訪れる世界最大の同人誌即売会であり、かつ国内でも最大規模の入場者数を誇るイベントである。コミケでは出展する企業が、コミケでしか買えないファン垂涎の限定グッズを販売することが多い。そのため、参加者は事前のシミュレーションが必須だ。そのパンフレットが、桁違いの売れ行きになるのは当然だろう。

 そして、企業ブースのパンフレットと並んで人気が高いのが、コミックマーケットのカタログである。電子版も出るようになり、さらには、Twitterでサークル参加する作家が自らのサークルの位置を情報発信しているが、依然として紙のカタログは人気が高い。参加にはカタログの購入は必須ではないのだが、なぜ需要があるのだろうか。

 1つは、コミケは規模が大きすぎて、カタログなしではなかなか目当てのサークルにたどり着くのが難しいという点がある。また、膨大な数のサークルが参加するため、Twitterのエゴサーチだけでは追いかけることができなかったりもする。カタログをめくっていて、「あ、このサークルが今回は参加しているんだ」と気づかされることがたくさんある。蛍光ペンを用意して目当てのサークルをチェックするのも醍醐味だし、サークルカットの絵を見て「このサークルに行ってみようかな」と考えたりするのもまた、楽しい。これはカタログならではのメリットといえる。

 カタログは電話帳(今では電話帳を知らない世代も増えたと思うが)よりも分厚く、漬物石、もしくは鈍器などの愛称で呼ぶ人もいるが、読み物も充実しており、カタログそのものの魅力も高い。表紙は人気サークルが手掛けることが多く(前回の100回目はTYPE-MOON代表の武内崇が描いた)、二次創作のサークルの数はそのジャンルの人気の高さを表すなど、漫画、アニメ、ゲームの流行を反映する資料としても価値がある。特集記事や、「まんがレポート」などの読みもの、コミケ参加者なら一度は見ているであろうDr.モローによる漫画も見どころだ。これらの読み物目当てに、カタログを買っている人も少なくない。

コミックマーケット101 カタログ 冊子版 コミケカタログ COMIC MARKET CATALOG 101 コミケ コミックマーケット準備会

 コミケに長年参加している人やコミケそのもののファンは、カタログを思い出や資料として保存している人もいる。本棚にずらりと並んだ歴代のカタログは壮観である。

 なお、従来のコミケは、サークル参加であれば参加費がかかっていたが、一般参加者の入場は無料かつ自由だった。近年そのシステムが変わり、一般参加やコスプレ参加などで更衣室を利用する際には、事前販売されるチケットを購入する必要がある。今回のコミケも引き続き感染症対策の一環として、来場者数に制約を設けて行われるとのことだ。チケットの当日販売はないため、当日会場に行っても入場が難しいので注意が必要である。コミケにしばらく行っておらず、久々に行こうと思っている人はシステムの変更点に注意が必要だろう。

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