『家、ついて行ってイイですか?』で話題! 吉田博高社長の『とらのあな』がオタク業界を代表する企業に成長したワケ

『とらのあな』なぜ話題に?

 同人誌などを扱う書店「とらのあな」が昨今、Twitterでたびたびトレンド入りするなど、注目を集めている。7月27日放送の『家、ついて行ってイイですか? 3時間スペシャル』(テレビ東京系)では、まさかの同企業代表である吉田博高社長が出演した。

 表参道の高級マンションに住み、美人妻がいることが放送され、SNS上では「驚いた!」「吉田社長の家むっちゃオシャレ」といったコメントとともにトレンド入り。同番組への出演は実は2017年以来2度目となるが、前回の出演時もTwitterが沸騰し、大盛り上がりだったので、その反響を受けてのこともあるだろう。

 「とらのあな」といえば、同人誌の流通販売を行った企業の先駆けのひとつである。吉田社長が「とらのあな」を開店したのは1994年、24歳のこと。秋葉原の雑居ビルの一画で始めた小さなお店だったという。当時はまだ同人誌を入手できる場所といえば、コミックマーケットなどの同人誌即売会しかなかった。

 イベントの日を逃してしまえば、次に買える機会はほぼないか、作家が即売会に出る日を待つしかなかった。そんな同人誌を常に買い求めることができる店とあって、吉田社長の目論見は見事に当たった。業績は急激に拡大。「とらのあな」は全国に店舗を展開し、年商200億円以上を売り上げる、オタク業界を代表する企業に成長したのである。

 特に、アニメイトの隣にそびえ立つ2棟の店舗は秋葉原のシンボルになった。『電車男』などのヒットで秋葉原がブームになった際、ニュース映像にもたびたび「とらのあな」のビルが映し出されたことを、記憶している人も多いはずだ。

 しかし、「とらのあな」は長引くコロナ禍の影響を受け、今年8月31日、店舗を一斉に閉店することになってしまった。秋葉原店A、新宿店、千葉店、なんば店A、梅田店の5店舗にも及ぶ。なかでも、創業の地である秋葉原から撤退するというニュースは、衝撃的に受け止めた人も多いのではないだろうか。店舗は、女性向けの同人誌を主に販売する、池袋の1店舗を残すだけになってしまった。

 もっとも、「とらのあな」の業績は決して悪いわけではなく、ECの事業は順調であるという。2022年6月23日に同社が発表した情報によると、2022年度(2021年7月~2022年6月)の流通総額は300億円を突破し、サービスユーザー数は1141万人、クリエイター登録数51万人を達成するという。さらには2025年度に流通総額400億円超達成が目標としている。

2022年度の流通総額が307億円(昨対比121%)を達成する見込み

 しかし、ずらりと同人誌が並んだ実店舗の魅力は特別なものがあり、店内に入ると気分が高揚する人も多いはず。筆者もその一人であり、実物を品定めをしながら買うのも同人誌の魅力で、店舗がなくなるのは寂しいものだ。

 Twitterでとらのあながトレンド入りするたびに、それだけ多くの人に愛され、記憶に刻まれている店であることが実感できる。今後も吉田社長の動向を含めて「とらのあな」から目が離せない。

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