【漫画】“大切な人”と“都合のいい人”は同じ? 路上で暮らす男女のSNS漫画が教えてくれる愛情のあり方
制作期間は1年近くに
――どのようにして『コンクリートに咲く雑草たち』は描かれたのですか?
一垨:実は制作期間は1年ほどかかりました。もともと路地裏の風景が好きで、「路地裏に住む猫って自分たちが思ってる以上にのびのび生きてるよな」と思っていました。それと「ドッペルゲンガーって妖怪なのに掴みどころのない所がカッコイイよなあ」とも漠然と思っており、これらを一緒に世界観に入れました。
――順調そうに見えますが……。
一垨:ただ、肝心の世界観を表現することが本当に苦手で……。この世界での主人公の立ち位置やドッペルゲンガーの認知度、またドッペルゲンガーがいるなら他の怪異的存在はどこまで存在しているのかなど、表現しようとするうちにページだけがかさばってしまい、結局一度没になりました。
――トライ&エラーがあったのですね。
一垨:はい。なんとかネームが完成して、「いざ原稿だ!」というところまで来たのですが、その時期に新しく始めたアルバイト先が想像以上に忙しく、人間関係も大変で、漫画どころではなくなりました。ただ、同僚の方々に協力してもらい、長期間休みをもらうことができ、なんとか形にすることができました。
舞台となった国は?
――舞台はヨーロッパの下町のよう雰囲気でしたね。
一垨:チェコのプラハをモデルにしました。洋風な街の中で一番好きな景観です。
――ちなみにナココのドッペルゲンガーが誕生した経緯は、ナココは「私はショータの邪魔になっていないか?」という不安感から、「ショータにとっての大切な人になりたい」という願望から誕生した、という解釈で良いですか?
一垨:その通りです。また、「私がもっと裕福ならショータを幸せにできるのに」という自己嫌悪もあります。
――「お前じゃなきゃダメなんだ」とショータが口にするシーンは迫力がありましたね。
一垨:ありがとうございます。ただ、あまり「こうしよう、ああしよう」とは考えていませんでした。とにかく、「今もこれからもショータにはナココが必要不可欠で、ナココもショータがいなくちゃ話にならないんだよ!」と気持ちをペンに乗せながら描きました。
――最後に、今後の活動について教えてください。
一垨: Twitterで活動していますのでよければ見てください、励みになります。本当にまだまだ馬力のない漫画家志望ですが、後にも先にも漫画しかないので描き続けていきます。目指せアニメ化です!