【漫画】人々が熱狂する“1億年後の音楽”とはーーカオス&文学的なSNSマンガが気になる

「わからなかったら仕方がない」

――『1億年後のミュージック』はどのようにして誕生したのですか?

 電気:作業中に聴く音楽がなによりも重要であると考えており、着想もそこから得ました。あとはその音楽を聴いて頭に浮かんだナレーションをスマホに打って、それを元に絵をつけています。本作は思いついたその日に完成してネットにアップできましたので、実はそんなに制作時間はかかっていません。

――独特なタッチに感じましたが、どのように描かれているのですか?

電気:クリップスタジオのスプレーツールを使用しています。なるべく速く描くことによって絵が良くなるので、スピードを意識して描いています。まだ、本作を制作した時はまだ描き方が定まっていなかったので、なるべく意味や意図が伝わるように心がけました。

――抽象的な内容だったように感じましたが、「読者に伝わらなかったらどうしよう」といった不安感はなかったのでしょうか?

電気:もともとわかりやすい漫画を描くのが苦手だったので、「わからなかったら仕方ない」というスタンスで描きました。今もそのスタンスは変わりません。

涙を流した曲は?

――謎めいた主人公でしたが、どのように登場人物を作り上げたのですか?

電気:そこはあまり考えおらず、音楽に身を任せて描いたので自然にそうなりました。彼女が登場したのも、特に意識したことはなく自然に浮かびました。

――電気さんも主人公同様、誰かの楽曲を聞いた時に心身ともに衝撃を受けた経験はあったのですか?

電気:ものすごくたくさんあります。中でも、くるりの『グッドモーニング』という曲の間奏部分は美しすぎて涙がでました。

――今後はどのような作品を描いていきますか?

電気:とりあえず今の絵柄で描けるものを描き切ってから、また絵柄を変化させていきたいと思っています。漫画は4コマ形式を崩さず、冷たいながらも情感のあるものを描いていきたいです。

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