『聖闘士星矢』人気キャラ百花繚乱のなか、星矢は圧倒的に“主人公”だった　誕生日を機に振り返る少年漫画の金字塔

　本日12月1日は『聖闘士星矢』（車田正美）の主人公・星矢の誕生日だ。

　『聖闘士星矢』は1985年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始し、現在も続編となる『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が「週刊少年チャンピオン」で連載されている、少年漫画の金字塔だ。ギリシャ神話を世界観の下敷きに多くのキャラクターが活躍し、「星座」のモチーフから鎧に変化する「聖衣」（クロス）は、プラモデルやフィギュアとしてもファンを魅了した。

　主人公のみならず、多くのキャラクターが異能を駆使してバトルを展開する作品は今でこそ少年漫画の王道だが、このジャンルに先鞭をつけた作品のひとつが『聖闘士星矢』だと言える。今でいう“推しキャラ”のような概念が深まったのもこの作品で、中性的で美しい瞬、クールなイケメンの氷河、ストイックで忠義に厚い紫龍、頼りになるダークヒーローの一輝と、多くのキャラクターが人気を分け合っていた。

　敵にも味方にもフックのあるキャラクターが多数存在するなかで、しかし「誰が主人公なのか」という迷いが生じないのが『聖闘士星矢』だ。それはタイトルだけが理由ではなく、星矢には圧倒的な“主人公感”があった。

　キャラクター造形としては、80年代らしいクラシックなタイプだ。孤児院で暮らしていた幼少期はヤンチャな跳ねっ返りで、明るくたくましく育っていく。原作とアニメ版でやや設定は違うが、ファンの心を打つのは人一倍の勇気だ。仲間たちの思いをすべて引き受け、どんな敵にも勇敢に立ち向かう姿は主人公そのものだった。

　そんな星矢の誕生日を祝福するように、現在、『聖闘士星矢』を原作とするハリウッド映画『ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック』の特報映像が話題になっている。

　新田真剣佑が演じる“SEIYA”はいったいどんなキャラクターになるのか。2023年の公開を前に、原作をチェックor再読してみてはいかがだろう。