【漫画】クラスの美少女が悪玉プロレスラーだったら……SNS漫画に気づかされる“嫌われる勇気”

プロレス熱が生んだ作品

――“覆面ヒールレスラーとの出会い”という切り口が秀逸で、王道でありながらも新しさを感じるストーリーでした。

牧:本作は、僕がプロレスを見るようになって1年くらい経った時に描きました。「プロレスっておもしろい!」という熱量があふれていた時期だったので、「なんとかプロレスを題材に漫画を描けないか?」と思っていました。最初は“クラスの女の子が実はプロレスオタクの変な子”というキャラクターをもとにしたラブコメを考えていたのですが、どうも話が動かず……。ただ、“悪役レスラー”という要素を入れることで、なんとか話しがまとまった感じです。

――ベビーフェイスではなく、“ヒールに憧れる”という設定にした理由を聞かせください。

牧:「ヒールに憧れる」っていうのは、ちょっと異質・異端のようなイメージがありますが、「そこで一つキャラが立っているな」と思ったので採用しました。

――牧さんが考えるヒールレスラーの魅力は何ですか?

牧:「エンターテイナーとして嫌われ役・憎まれ役を担っている」というプロフェッショナルな部分に魅力を感じています。ベビーフェイスが喝采を浴びる中、ブーイングを浴びてでも、その道を貫く姿勢はとてもカッコイイです。

メインテーマとサブテーマ

――霧江がムーンサルトしているシーン、伊吹がドロップキックを見せるシーンなど、迫力のある描写でしたね。

牧:絵を描くときはなんでも「実物を見ろ」「想像で描くな」とよく言われますが、プロレスラーの方々は本当に“画になる動き”をしてくれます。なのでサンプルには困りませんでした。それが上手く表現できていたのなら良かったです。

――伊吹からドロップキックを受けた時、蹴られていない2人の男子学生も一緒に吹き飛ぶように見えて、とてもプロレスを感じました。

牧:確かにそう見えますね。意図はしていませんでした(笑)。「プロレス面白いよ!」って伝えられれば良かったのですが、あまりプロレスというものに突っ込んだ話ではないので、どのくらい伝えられたのか不安です。それこそ、プロレスを感じてもらえる描写も、技の部分くらいしかないので。あとは「会場の熱量とかもっといろいろ込められたら良かったな」という反省点もあります。

――また、「人目を気にしない」「好きなもの一つでもあれば人は救われる」といったメッセージの詰まった内容でした。

牧:「誰に何を言われようが、どう思われようが関係ない!自分の思うように進め!」がメインテーマで、「共通の趣味でつながるっていいよね!」というサブテーマもありました。

――今後の抱負を聞かせてください。

牧:連載を目指して頑張っています。もっといい漫画が描けるように頑張ります! 引き続きよろしくお願いします!

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