『SLAM DUNK』で物議を醸す声優交代劇 他の国民的作品でのケースはどうだった?

12月3日に公開される映画『THE FIRST SLAM DUNK』。ファンにとっては待ちに待った『SLAM DUNK』の続編だけに、制作決定から高い期待を集めている。

 そんな『THE FIRST SLAM DUNK』だが、映画公開間近となった11月、東映公式チャンネルのYouTube配信で映画の声優がアニメ版と一新されることが発表され、ネット上で物議を醸した。アニメ版で主人公・桜木花道を演じた草尾毅、流川楓役の緑川光など、当時の声優陣が未だに現役として活躍しているだけに声優一新に不満を持つファンもいるようだ。

 物議を醸す声優交代劇だが、今回のようなケースは実は少なくない。代表的なものを検証していきたい。

『ドラえもん』は往年のファンからの違和感も……時代を経て定着

 

 藤子・F・不二雄原作の国民的漫画、『ドラえもん』。テレビ朝日では1979年からアニメが放送され、第1回から大山のぶ代がドラえもんの声を担当し、高い人気を誇った。

 また、ジャイアンはたてかべ和也、のび太は小原乃梨子、スネ夫は肝付兼太、しずかちゃんは野村道子が大山とともに声を担当。息の合ったやりとりは「ドラえもんファミリー」とも称されるとともに、視聴者から愛され、顔と声のイメージが完全に一致していた。

 ところが2005年3月になり、声優陣の高齢化を理由に声優が一新され、ドラえもんは水田わさびに変更となる。交代当初は違和感を訴える声などもあったが、現在は水田のドラえもんが定着し、現代の子供たちに支持されている。

 ちなみに『ドラえもん』は1973年に日本テレビでもアニメが放送されたことがある。その際に初代ドラえもんを演じたのは、バカボンのパパ役などで知られる富田耕生。2代目は野沢雅子が担当した。

『クレヨンしんちゃん』は見事な交代劇!?

 平成を代表するアニメとして名高い『クレヨンしんちゃん』。主人公の野原しんのすけを担当したのは、矢島晶子だった。

 1992年の放送開始からしばらくは普通の子供感が強い声だったものの、徐々に癖を強め、作品人気向上とともに「しんのすけ像」が定着。実に26年にわたり、矢島が野原しんのすけを演じた。

 2018年、矢島が「しんのすけの声を保つことが難しくなった」ことを理由に降板を発表。しんのすけ役は小林由美子に引き継がれることになった。小林のしんのすけは矢島のテイストを踏襲しているため、違和感を覚えない人のほうが多いようだ。降板が矢島本人の希望だったこともあり、交代に理解を示すファンが多数派だった。

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