女優・高田里穂11年ぶり写真集『完成された未完成』「今まで生きてきた自分が全部そこにいる」 

高田里穂インタビュー

 昨年9月に発売された「週刊プレイボーイ」の仮面ライダーヒロイン特集で果たした11年ぶりのグラビア復帰が大きな反響を呼んだ女優・高田里穂が、やはり11年ぶりとなる写真集『完成された未完成』を刊行する。沖縄県と彼女の地元である福岡県久留米市で撮影された同作には、20代最後の水着姿が収められ、大胆なカットから無防備な表情まで、多彩な“高田里穂の今”が写し出されている。強い意志を持ってこの写真集の撮影/制作に臨んだという彼女に、込められた想いの丈をじっくりと聞いた。(大久保和則)

私の中の「未完成」な部分は「完成された」

高田里穂

──「仮面ライダーオーズ/OOO」のヒロイン・泉比奈を演じていた高田さんですが、そのことがきっかけで昨年の「週刊プレイボーイ」で11年ぶりのグラビアを披露。今年春の同誌では表紙も飾り、写真集も刊行される形になりました。

高田:この1年は、本当に激動でした。グラビアに復帰して、やるからには反響をいただきたいなと思っていたんですけど、想像以上の反響をいただいて。それだけ待ってくださった方がいるんだなと実感しましたし、11年前とは違う成長した今の姿を見ていただけたことが嬉しかったです。できることなら表紙を飾りたいなとか、せっかくなら写真集までいけたらいいなとか、願っていたことが全部その通りになりました。本気で願って、そこに向けて努力をしていたら叶うんだなって、自信にも繋がった1年だったと思います。

──昨年のグラビア復帰に際し、悩んだり迷ったりは?

高田:まったくなかったです。ファンの方の間で私のグラビアイメージは、16歳ぐらいのままなので、今の自分をグラビアに収めたいと考えていて、そういうオファーがあればいいなと思っていました。そしたら「週プレ」さんの仮面ライダーヒロイン特集に呼んでいただいて。それが今回の写真集に繋がりました。巡り合わせって、本当にこういうことを指すのかなって思います。

高田里穂
──「完成された未完成」という写真集のタイトルが印象的です。

高田:すべての撮影が終わって、帰りの飛行機の中でnoteを書いていたんですけど、その文章のタイトルが「未完成」でした。そのときに、「完成された未完成」という言葉も同時に浮かんできたんです。

──どんな思いが込められているのでしょうか?

高田:「未完成」なのに「完成された」って、変だなって感じる人もいると思います。でも、私の中ではもちろんちゃんと意味があって。ある意味、今の自分を表現する言葉なんです。私は、12歳のときから芸能のお仕事をさせていただいてきて、これまでの芸能生活の中では葛藤もたくさんありました。とにかく必死に頑張ってきたけど、決して完璧だったわけじゃないし、完成されたわけじゃない。そう考えると、これまでの私の人生は未完成だったなって思うんです。でも、これから先の長い人生を考えたら、そういう未完成の時間も必要だった。自分の未完成な部分にしっかり向き合って、かなり悩んできた経験があるから、今はそう思えています。だから、私の中の「未完成」な部分は「完成された」のかなって。

──この写真集を通して、「未完成」な部分を一度「完成」させて、次の段階の「未完成」へと進んでいきたいという意識もあったんじゃないかと感じます。

高田:今までの自分は、「もっと頑張らないと!」、「いや、頑張りすぎたな……」の繰り返しでした。でも、いろんなことを経験した今、「もうがむしゃらなだけでは続けていけない」、「気を張ってばかりの自分はあんまり魅力的じゃない」と感じていて。今は、もっと楽しんでいる姿を見てほしいという気持ちが強いです。そういう意味では、前とは違う意識で仕事に向き合っているのが、この1年ぐらいだなと思います。

高田里穂

──「この1年ぐらい」ということは、ちょうどグラビア復帰からの1年と重なります。

高田:グラビア復帰は、すごく大きかったですね。11年ぶりにグラビアに復帰したことで、完璧な姿だけを見せても意味がないということが分かりました。復帰した最初の頃は、とにかく美しく見せる努力だけをしていました。だけど、グラビアを1年間撮影する中で、くだけた表情やナチュラルな動きの中での“魅力的な何か”がないとダメだなって、気づいたんです。その気づきの集大成が、今回の写真集には表現されていると思います。

──写真集の撮影にあたって、スタッフさんとは密にコミュニケーションを?

高田:カメラマンの(熊谷)貫さんが初めてだったこともあって、どういうものを撮りたいかという意志確認の打ち合わせを3回ほどしました。そこで話したのは、「ただきれいな表情を撮りたいわけじゃない」ということです。「そうじゃなくて、髪がボサボサだったり、すっぴんだったり、地元の久留米での素の表情とか、そういう姿を撮っていただきたいです」とお伝えしました。先ほどお話しした「もっと楽しんでいる姿を見てほしい」という心境の変化ともつながるんですけど、ありのままの自分で様々な仕事と向き合っていきたいなと思っています。そのこともあって、この写真集ではありのままの自分を出して、今の高田里穂の意志表示ができたらなと思ったんです。「本当の私を表現した写真集」を作りたいというか。そんなお話をさせていただいたら、貫さんを始めとするスタッフさんたちが、「こういうのはどう?」「じゃあ、これは?」って、どんどんアイデアを膨らませてくださって。

高田里穂

──その結果、完成した写真集にはどんな自分が写っていると感じていますか?

高田:意識的な表情やポージングは、もちろんありますけど、表現していない自分も写っているし、見せたい私も見せたくない私も写っています。見せたくない私は、例えば半目の写真とか(笑)。普通だったら選ばれないけど、そのすべてが私なんだよって、そういう写真集になったと思います。

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