『SILENT HILL』最新作で話題の「竜騎士07」とは? 代表作『ひぐらしのなく頃に』に見る、人気脚本家の原点

『SILENT HILL』最新作で話題「竜騎士07」とは

 KONAMIが展開する人気ホラーゲームシリーズの完全新作、『SILENT HILL f』の制作が明らかになり、ゲームファンが沸いている。そのなかで、SNS等で話題になっているのは、ストーリーを「竜騎士07」が担当するという発表だ。

 公式の発表でも語られているように、竜騎士07氏の代表作は、『ひぐらしのなく頃に』だ。盛んにメディアミックスが行われてきた人気作であり、一般にはアニメの印象が強い人も多そうだが、もともとは竜騎士07が代表を務める同人サークル「07th Expansion」によるコンピュータゲームである。

 『ファイナルファンタジー』を思わせるそのクリエイターネームからも、ゲームフリークだったことがわかる。小説版『ひぐらしのなく頃に』も執筆しているが、過去のインタビューで、自身は読書家ではなく、同作に影響を与えたのは『弟切草』や『かまいたちの夜』という、名作サウンドノベルゲームだと明かしている。

 学生時代からゲームクリエイターに憧れ、しかしゲーム会社への就職という夢は叶わず、地方公務員として働いていたという経歴をもつ竜騎士07氏。その後、前出の「07th Expansion」を立ち上げ、独学&自力で人気コンテンツを作ってしまった異色の作家であり、その個性が『SILENT HILL』シリーズとうまくマッチするか、という懸念の声もあるが、ゲーム愛と、『SILENT HILL f』の“舞台設定”との相性に期待がかかる。

 これまでの『SILENT HILL』の舞台はアメリカだったが、『SILENT HILL f』は1960年代の日本が舞台となり、トレーラー映像を見ると、制服の少女が登場する。シリーズタイトルのとおり、もともとジャパニーズ・ホラーに通じる“静”の恐怖が魅力的な作品であり、日本の懐かしい風景は、恐ろしさを倍増させてくれそうだ。

 『ひぐらしのなく頃に』では、日本の寂れた山村「雛見沢村」を舞台に、因習×ホラーという定番ジャンルをアップデートした大ヒット作に育て上げた竜騎士07氏。もともとの『SILENT HILL』シリーズファンに止まらない、多くのプレイヤーを魅了する物語が届けられることに期待したい。

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