ヒカルの私生活は意外に質素? 初の書籍刊行で考える“金持ちYouTuber”の真実
世間を賑わせた熱愛&破局から「ごぼうの党」代表・奥野卓志氏との関係性まで、話題に事欠かない人気YouTuberヒカルが9月30日、初の著書となる『心配すんな。全部上手くいく。』(徳間書店)を刊行する。予約好調を受け5万部の発売前重版が決定するなど、こちらも注目を集めそうだ。
本書はヒカルの“勝ちの哲学”を網羅した一冊で、大炎上を乗り越え、トップYouTuberとして活躍するに至ったプロセスやその裏にあった戦略、本人の思考が詳述されている。そのなかで、普段からヒカルの動画を視聴していない多くの人にとって意外に感じられそうなのは、目次に「お金? 気にすんな」との見出しがあることだ。
ヒカルは“金持ちYouTuber”を自称し、大金を使った企画で多くのバズを起こしてきた。多くのYouTuberが「1万円企画」を動画化するなかで、ヒカルは「100万円企画」は当たり前、ときには地方競馬に1000万円以上を賭けたりと、その羽振りのよさを見せつけている。“YouTuberドリーム”ともいうべき内容を楽しみ、憧れるファンが多い一方で、「無駄遣い」「生意気そうな若者」などの反感を持つ人が少なからずいるのも事実だ。
そんなヒカルが「お金を気にしない」というのはどういうことか。実はヒカル、ファンには私生活が質素なことで知られている。
企画で買い漁っているブランド品には関心がなく、気に入った数着を着まわしており、靴下はファンのプレゼント。動画ではクラブ等で高級なボトルをバンバン入れているが、本人はほとんど下戸だ。食事にもあまり関心がなく、コンビニやチェーン店の安価な料理を愛する。住まいこそ高級賃貸マンションだが、こちらもこだわりがないようで、お金がなくなれば実家や安アパートに住めばいい、と公言している。それも「庶民派」を巻き込むためのブランディングだ、という穿った見方もできるが、日々の動画活動に加えて、頻繁に行われるライブ配信、その他の事業まで含めると、そもそも遊んでいる時間がありそうにない。
ヒカルは多額を投じている慈善事業においても「売名のため」と語っており、露悪的な言動も少なくないため、「金を稼ぐためには手段を選ばない」というイメージもありそうだが、日々動画を視聴していると、やはり「お金のためにやりたくないことでもやる」「儲からないならやらない」というパーソナリティには見えない。賛否あっても注目度・影響力を高めるための企画は巨額を投じても行い、結果としてそれがお金になることを知っている、というイメージだ。
なぜヒカルはこれだけの注目を集め、「金」にも恵まれているのか。ファンのみならず、何者でもなかった若者がトップYouTuberになっていったプロセスとロジックが知りたい人は、本書をチェックしてみてはいかがだろう。
■書誌情報
『心配すんな。全部上手くいく。』
著者名:ヒカル
出版社名:徳間書店