米澤穂信が直木賞受賞第1作を発表 著者「原点回帰」の青春ミステリに注目
『黒牢城』で第166回直木賞(2021年下半期)を受賞した米澤穂信氏。受賞第1作となる『栞と噓の季節』の発売が決定した。
米澤氏の「原点回帰」ともいえる青春ミステリで、累計発行部数25万部を突破した『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)の続編。『本鍵』は「あと1ページ足りない!」と話題になりラストシーンのその先を切望された一冊だ。
米澤氏は「誰でも殺せる特別な栞を巡り、保身のため、誇りのため、友のため、あるいは秘めた思いのため、誰もが嘘をつく――そんなミステリです。」とコメントした。米澤ファンは必読の注目作となっている。
あらすじ
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
著者プロフィール
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、さらに2022年、同作で第166回直木賞と第22回本格ミステリ大賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ3つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。さらに『黒牢城』は史上初めて4つの年間ミステリランキングを制覇した。
書誌情報
書名:栞と噓の季節
著者名:米澤穂信
予価:1,815円(10%税込)
四六判 略フランス装 376ページ(予定)