「爆エモい!」と激賞 『余命一年、男をかう』で話題を呼んだ吉川トリコが多様性を描く渾身の新作
『余命一年、男をかう』などで注目される著者・吉川トリコによる、多様性を描き切った最新作『流れる星をつかまえに』が8月10日にポプラ社より刊行された。「爆エモい!」などと、著名人からのコメントが続々到着した。
LGBT・人種・血縁・多様性……社会の分断に揺らぐ自己を明るく取り戻す内容。女性をテーマに描き続けてきた吉川トリコは、今回、様々な多様性について書いた。本作は、生きづらさを抱えた人たちに光を当てており、ジェンダーや人種の問題、社会の分断や多様な価値観のなか、葛藤に苛まれる人たちが一歩を踏み出す様子が、このうえなくエネルギッシュに描かれている。コロナ禍や戦争など不安定な社会情勢にある今こそ読んでほしい、読み終えたあとに全身に力がみなぎる一冊だ。
あらすじ
家族仲がしっくりいかず、生き方に迷う主婦。16歳になる直前まで自分が在日韓国人だと知らなかった姉妹。ゲイであることに葛藤する男子高生。血の繋がった子どもを持てなかった母親。卒業式の日にプロムを開催すべく奮闘するモーレツ女子高生たち――
ままならない日常に悩み惑う人たちの踏み出す一歩が、あなたの背中をそっと押してくれる。『余命一年、男をかう』で大注目の著者が贈る、明日もがんばる元気をくれる連作短編集。
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著者プロフィール
吉川トリコ(よしかわ・とりこ)
1977年静岡県生まれ。名古屋市在住。2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR‐18文学賞」第3回大賞および読者賞を受賞。同年、同作が入った短編集『しゃぼん』にてデビュー。21年、愛知県芸術文化選奨文化新人賞を受賞。主な著書に、映画化された『グッモーエビアン!』のほか、『少女病』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『光の庭』『女優の娘』『夢で逢えたら』「マリー・アントワネットの日記」シリーズなど多数。22年第35回山本周五郎賞にノミネートされた『余命一年、男をかう』は第28回島清恋愛文学賞を受賞し、コミカライズされるなどと話題に。
著名人の推薦文
「本作の根底にあるのは、
やりたいことはやっちまえというエネルギーだ。」
――ブレイディみかこ
「本作はエモい。爆エモい。うそ偽りのないエモさだ。
なぜならここには、ちいさくて、だいじな、
わたしたちひとりひとりのこころの断面が、
みっちりと詰め込まれているから。」
――少年アヤ
「誰もとりこぼすまいとミラーボールで物語を照らす
吉川トリコが、私にとってのプロムクィーンだ。」
――柚木麻子
著者のメッセージ
「映画を観ることは流れる星をつかまえにいくような行為だと思ってタイトルをつけた。そのときだけしかかかっていない映画を映画館に観にいくという行為そのものもそうだし、スクリーンを流れていく映画の、印象的な場面でも台詞でも衣装でもなんでもいいけど、なにかひとつ光る星のようなものを心に留めて持って帰りたいと願っている。
しかし、よくよく考えてみればそれは映画にかぎったことではなく、人や本や食べ物、食器や洋服や音楽などなど、人生をゆたかに彩るさまざまなものに囲まれて日々暮らし、日々なにかを選択しながら我々は生きている。そのひとつひとつの選択が世界を広げ、自分の輪郭をくっきりと際立たせてくれるはずだ。とりわけ小説でも映画でもなんでもいいけれど、「物語」というものは他者の人生を垣間見ることで想像力の幅を広げ、すぐ近くの隣人を慮るための訓練のようだと思う。
この小説が、だれかにとってのそういう一冊になれたらと願っています。」
――吉川トリコ
書誌情報
『流れる星をつかまえに』
著者:吉川トリコ
発売年月:2022年8月
定価:1750円(10%税込)
書誌ページ:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008391.html
Amazonページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4591174115/
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