【漫画】全イラストレーター志望に届け! 現役イラストレーターが漫画で語るアドバイスがアツい

職業にするには難易度が高いように感じるイラストレーター。しかし書店はもちろん街中を見渡せば、世界はイラストで溢れている。
「イラストレーターを目指している方へ」の文言とともに、1作の漫画がXにアップされた。目指す方に話したいことを作品に詰め込んだと語るのは、自身もイラストレーターとして活動する本作の作者・yana(@yananyokinyoki)氏だ。
今回は本作を創作した経緯や改めて読者に伝えたいメッセージを、yana氏に聞く。(青木圭介)
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ーー本作を創作した背景を教えてください。
yana:私は、イラストレーターとして軌道に乗るまでに、20年くらいかかりました。昔は一人で悩むことも多かったのですが、思い切って周りに相談してみたら「みんな同じようなことで悩んでいるんだー!」と気づきまして。
絵を描く作業は、一人で向き合う時間が長いぶん、不安も抱え込みやすいですよね。誰にも相談できずにいる方には、漫画を通して「こんな時つらいよね〜」と、気持ちを分かち合えたらいいなと思っていました。
失敗や遠回りをたくさん経験してきたので、その中で少しずつ見つけてきた考え方や乗り越え方を、必要としている方へ届けられたらいいなという想いもずっとありました。ただ、正解は一つではないし私自身まだまだ模索中なので、SNSで発信することには怖さもあり、なかなか踏み切れずにいたんです。
ーー躊躇をしていたなかで、実際に制作に至ったきっかけはあったのでしょうか?
yana:制作のきっかけは、イラストレーター仲間から聞いた話でした。イラストレーター志望の方から相談を受けて、自身の経験を善意で話したそうなんですが、その内容が情報商材として販売されてしまったらしく……。
その話を聞いたときは、とても悲しかったです。人それぞれ悩みながら積み重ねてきた経験は、お金では測れない財産だと思っています。それが本人の望まない形で利用されてしまったことは、他人事とは思えないショックな出来事でした。
一方で、「どうしたらプロになれるんだろう」と悩んでいる方ほど、何かヒントがほしい、少しでも前に進むきっかけがほしいと思う気持ちも、とてもよく理解できます。そこで、自分自身の経験や考えを、安心して読める形で届けられればと思い、この漫画を描くことにしました。
周りのイラストレーターさんを見ていて感じるのですが、本気で目指している方や誠実に人と向き合う方に対しては、自分の経験を惜しみなく伝えようとする方が本当に多いです。そうした温かい姿勢に、私自身も何度も励まされてきたので、その想いを受け継ぐような気持ちで描きました。
ちなみに、上記の出来事は当事者同士で解決済みです。また、すべての情報商材が悪いものだとは考えていません。ただ、情報を選ぶことや見極めることは、とても大切だと思っています。
ーー本作を描くうえで気をつけたことはありますか?
yana:先ほどお話した出来事が描くきっかけにはなりましたが、誰かを非難するような内容にはしたくなかったので、前向きな内容の中に注意喚起を少し織り交ぜるくらいにしようと気をつけました。
それから、わかりやすい言葉で、短めの文章で書くことも意識しました。それは本作に限らず、常に意識していることです。「わからない」という方を置いてけぼりにしたくない、「理解するための負担」を相手にかけたくない、という思いが根底にあるからだと思います。
ーー「情熱の程度は人それぞれ、描いている時点で好き」という考えも印象的でした。
yana:この作品はかなり熱量を込めて描いたので、「自分はそこまでの情熱は持てない……」と感じさせてしまったら、かえって申し訳ないなぁという気持ちもありました。
実際には、描く理由は人それぞれだと思っています。「絵を描くこと自体が何より好き」という方もいれば、「人の役に立ちたいから、その手段として絵を描いている」「在宅で働く必要があって、この仕事を選んだ」という方もいます。
「好き」の熱量も人それぞれですし、その時々で変わることもあると思います。私自身も、描けなくなった時期がありました。一つ思うのは、人生の中で「絵を描く」という道を選んで今も向き合い続けているということ自体に、その人にとっての「好き」や「得意」、「大切にしたい気持ち」があるんじゃないかなということです。
イラストレーターを目指している方の中には、「描くことが大好きじゃないとダメなのかな」と不安を感じている方もいるかもしれません。でも、周りの熱量と比べ続けてしまうと、苦しくなってしまいますよね。「答えのない問いに心を奪われるよりも、自分のペースで手を動かす時間を大切にしてほしいな」「あまり自分を責めすぎないでほしいな」という気持ちを込めて描きました。
ーー改めて、本作を通して伝えたいメッセージを教えてください。
yana:一番伝えたいことは、「みんな本当によく頑張っているよねー!!(涙)」ということです。
SNSは、多くの作品や、さまざまな意見や情報が次々と目に入ってきて、心が乱されますよね。そんななかで、自分らしさを保ちながら描き続けることも、思うように動けない時期に耐えることも、どちらも決して簡単なことではないのはよくわかります。
私は、SNSを利用するうえで心に留めていることが、二つあります。一つは、どんな意見に触れたとしても、最終的に自分の人生の責任を取るのは自分自身だということ。もう一つは「正論」に見える意見も、その人の経験や価値観を通して見えた、一つの考え方だということです。
人の意見をすべて受け止めるのではなく、「自分はどう感じたかな」という気持ちを大切にしながら、自分に合う部分を少しずつ選び取っていけたらいいなと思っています。
……なんて簡単に言うけど、それが一番難しいんですよね!
なので、あえてスマホから離れる日を作っています。SNSを見るとあっという間に時間が溶けちゃうので、タイマーを使ったりスマホを手の届かない場所に置いたりして、見ない「仕組み」を作るようにしました。「根性」だけでは無理だったので(笑)。
その分の時間を、好きな音楽を聴いたり好きな場所で過ごしたり、好きなものを見る時間にあてると、「自分が何を大切にしているのか」を取り戻すことができて心が楽になります。結果的に、それが自分らしい表現やブランディングにもつながると思っているんです。
ーー最後に、今後の活動の展望を教えてください。
yana:「生活」「健康」「育児」「教育」「ビジネス」などの実用的な情報を、イラストや漫画で翻訳して、直感的に伝えるサポートをしていきたいと思っています。
イラストには理解や安心、共感を届ける力があると信じています。「悩みの解決や学びを求める方」と「その情報を届けたい方」をつなぐ橋渡し役として、「優しい演出」で気持ちをほぐし「易しい解説」で理解を支えていけたら嬉しいです。
また、商業イラストとは別に、アート作品も制作しています。いつかMVやライブ映像など、音楽の世界で作品を使っていただけるよう、そちらの制作時間も少しずつ増やしていけたらと思っています。
◾️yana著『うちの汚部屋が片づかない ずぼらママがプロに習ったことシェアします』(白泉社)






















