【漫画】川沿いで寄りそう不倫カップル、その衝撃の事実とは? Twitterで話題『ぴったりな2人』の奇妙なおもしろさ
ーーぴったりな理由が寝違えたという衝撃もさることながら、ページ最後の女性の哀愁が印象に残っています。創作のきっかけを教えてください。
泥水真水:実際に僕が寝違えたからです。寝違えるって他のケガと異なり周りの人からあまり同情してもらえないですよね。動けないほど痛くても数日経てば自然に治りますし。
また普段から芸能人の不倫のニュースを耳にするなかで、それが単なる遊びなのか、もしくは不倫に至るまでのなにか切実な気持ちがあったのかは、本人にしかわからないと思っていました。
「周りから理解されないが本人にとっては切実かもしれない」という点で2つが重なり、自分でも得体のしれないものが出来上がりました。
ーー実体験から生まれた作品なのですね。
泥水真水:むかしアルバイトの帰りに川沿いの道を通っていたのですが、そこで本作のように寄り添う男女の姿を多く見かけてきました。自分にとっては日々ほとんど変わらない景色なのに、カップルの方々はそれぞれ見方が違うんだろうなと思っていましたね。今になっても思い出すほどその帰り道の光景は印象に残っていて、自分が寝違えたことなどとつながり本作が生まれました。
ーー本作に対し特別な印象があると伺いました。本作に対する印象を教えてください。
泥水真水:創作活動を続けてきましたが、本作を描くなかで自分が監督としてカメラワークや役者に指示できたという感覚をはじめて覚えました。読者や登場人物との距離感を図りながら、コマのなかでキャラクターの表情を指定できたといいますか……。表情の変化で話を成立させることができ、脚本の筋を登場人物に提供できたという印象を受けましたね。
ーーとくに印象に残っているシーンは?
泥水真水:最後のページで描いた女性の表情ですね。単なるコメディでは終わらせないという思いから、寝違えたという出来事が面白い話なのではなくて、キャラクターの感情に関心を持ってもらえるよう読者を誘導したいと考えていました。話は荒唐無稽でも登場人物の感情はあったということに意識が向くように、キャラクターの表情を描きましたね。
ーー作品のつくり方を教えてください。
泥水真水:自分も教えてほしいです(笑)。ただ、ネガティブな感情は話のタネにはなりやすいと感じています。
ーー漫画に興味をもったきっかけを教えてください。
泥水真水:子どものころに通っていた学童保育所に『幽☆遊☆白書』や『はだしのゲン』など多くの漫画本があったことが漫画にふれるきっかけとなりました。学童保育所にはたくさんの漫画本があったのですが、なぜかあいだの巻が抜けていることが多かったです。あいだの巻を飛ばして読むと絵柄が大きく変わっていることがあり、そのときはじめて漫画を人間が描いていることを実感し大きな衝撃を受けましたね。自分にとって創作物にふれる原体験になったのだと思います。
ーーいつごろから漫画を描き始めましたか?
泥水真水:大学生のときですね。ずっと漫画を描きたいと思っていたものの、高校生まではなにかと忙しく漫画を描くことがありませんでした。ただ車の免許を取ることのように、いつか大人になったらやらなきゃいけないこととして考えていましたね。
ーー今後の目標を教えてください。
泥水真水:読者の反応を気にしたり商業誌で連載することを考えると私は手が動かなくなってしまうので、とりあえず今は自分自身が楽しんでいるかどうかを大切にしていきたいです。1本の線を描くにしても自分が楽しんでいればもっと良くしてやろうという工夫ができると思うので。続けていけば周りの評価もついてくるだろうと信じ、漫画を描き続けていきたいと思います。