LINEマンガ インディーズ担当者に聞く“新時代のマンガ家育成論” 「まずは世に出し、読者の判断に委ねる」
LINEマンガ インディーズで注目の作品は?
――インディーズ関連の取り組みの中で、現状の課題はどこにあると考えていますか。
小林:やはり、認知度をもっと高めなければならない、というところです。LINEマンガは商業マンガを「読む場」としては広く知っていただけていますが、大手マンガ誌がベースになったコミックアプリと比較して、オリジナル作品を多く届けていて、投稿ページもある、ということはやはり、あまり周知されていません。
――LINEマンガの作品ランキングを見ると、大手出版社の人気作と並んで、実はオリジナル作品もかなり浮上してきています。国民的ヒット作とフラットに並べて評価されるなかで、インディーズ発の作品がもっと目立ってくると面白そうですね。
小林:そうですね。特にタテ読み&フルカラーのwebtoon作品は好調ですし、投稿の母数とともに、インディーズ作品を読み、一緒に育ててくれる読者の方が同時に増えていけば、マンガ作品を通じた“ジャパニーズドリーム”がつかめる舞台が整っていくと思いますので、その意味でも、認知拡大は大きなミッションと捉えています。
――ちなみに、LINEマンガ インディーズで注目の作品はありますか?
小林:実はプロクオリティの作品も多くて、例えば『未完成定理』(https://manga.line.me/indies/product/detail?id=12020)という作品は、もともと他社様のアプリで連載されていた人気作で、完結していたのですが、その後、権利が作者さんに戻り、無料で読めるようにLINEマンガ インディーズで投稿し直してくれています。また、『ライバル店の女に恋しちゃった話』(https://manga.line.me/indies/product/detail?id=4129)というショートラブコメも、商業誌で連載を持っている作家さんの作品で、更新頻度は低くなっていますが、とても面白いですね。
――多くの作品のなかから、連載化するものはどう選んでいるのでしょうか?
小林:投稿されているものは全作品、編集部で目を通しており、スタッフの誰かが面白いと思えばお声がけして、トライアル連載に進んでもらっています。いろんな人に見てもらうことが大事だと思いますし、他のサイトさんに並行して投稿していただいてまったく問題ありませんので、マンガを描いている方はぜひ、LINEマンガにも投稿してみていただきたいですね。
また、Twitterで数ページずつ公開されているマンガを見て、お声がけするケースもあります。「AnimeJapan 2022」の「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」で3位に入った『仁藤と田塚の日常』(https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000643)もそうですが、SNSだけでなく、マンガを読むことに特化したプラットフォームに掲載する、ということ自体にも価値があるのではと。作品のアーカイブスというか、まとめページとして使っていただくのもいいと思っています。
――「編集部の誰かが面白いと思ったら」という、いわば加点式の考え方だと、評価が分かれるぶっ飛んだ作品も見出されていきそうですね。
小林:実際、他のマンガサイト/アプリでは伸びなかったものの、LINEマンガで人気連載になっている作品もありますね。出す場所によっても作品の受け入れられ方、伸び方は違ってきますので、誰か/どこかの評価が絶対的なものだと思わず、やはりいろんな場所で作品を読んでもらうのがいいと考えています。極端な話、いくら作品の質が高くても、週刊少年誌で少女マンガを連載するのは難しいでしょうし、マッチングの問題も決して小さくないんです。
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