うめざわ しゅん『ダーウィン事変』はなぜマンガ大賞に? 高いテーマ性と読者に与えた衝撃
マンガ大賞2022で2位の『ルックバック』も、メッセージ性という意味では『ダーウィン事変』と遜色がないものを持っていた。クリエイターが抱える創作への強い思いと、重たい悩みを描いた内容は『チェンソーマン』というヒット作の作者といった認知を超えて、広い範囲に伝わった。『このマンガがすごい!2022』の「オトコ編」で1位を獲得したのも当然の結果だった。
マンガ大賞2022でも『ルックバック』は、1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントが与えられる選考員の推薦ポイントで、合計68ポイントを集めていた。『ダーウィン事変』との差は6ポイントで、あと何人かが1位に推せば逆転もあり得たが、完結している『ルックバック』よりも続きが気になる『ダーウィン事変』の方が、評が集まりやすかったのかもしれない。3位の真造圭伍『ひらやすみ』は66ポイント。4位の和山まや『女の園の星』は2回目のノミネートで、前回の7位から順位が上がっており次回が期待でそうだ。
マンガ大賞2022の順位とポイント
大賞 『ダーウィン事変』 うめざわ しゅん 74ポイント
2位 『ルックバック』 藤本タツキ 68ポイント
3位 『ひらやすみ』 真造圭伍 66ポイント
4位 『女の園の星』 和山やま 63ポイント
5位 『チ。―地球の運動について―』 魚豊 59ポイント
6位 『トリリオンゲーム』稲垣理一郎、池上遼一 55ポイント
7位 『ダンダダン』龍幸伸 53ポイント
8位 『【推しの子】』赤坂アカ×横槍メンゴ49ポイント
9位 『海が走るエンドロール』 たらちねジョン 45ポイント
10位 『自転車屋さんの高橋くん』 松虫あられ 32ポイント