70代アメリカ人が描いた日常の風景画がプロの添削でさらに味わい深く 動画で伝えられた構図の重要性
いま見ている景色を絵にして残せたらーー。そんなことを思ったことがある人も多くいるのではないだろうか。好きな景色を風景画として残すことは、写真を撮るのとはまた違った趣があり、より強い思い出として保存することができるだろう。
そんな風景画の魅力が伝わってくる動画が、海外人気を広げつつある水彩画家&絵画講師の柴崎春通氏が運営するYouTubeチャンネル「Watercolor by Shibasaki」で公開された。柴崎氏は、1970年に和光大学芸術学科を卒業し、2001年には文化庁派遣在外研究員としてアメリカに留学。「The Art Students League of New York」等で水彩の研究を行っていたキャリアを持つ。そんな“おじいちゃん先生”こと柴崎氏は視聴者から寄せられた絵画を添削し、その映像をYouTubeで公開している。
3月16日に公開された「【絵画の添削20】パッと見上手な風景画もプロの画家がお直しすると…? ! 過ぎ去りし日の風景 柴崎 水彩画」と題した動画では、70代·アメリカ人の作品を添削することに。作品名は「Days gone by」。翻訳すると「過ぎ去った日」だ。柴崎氏はこの作品名を受け「わかるな。過ぎ去った日ね。柴崎も70代ですから、出る話というと昔の話が多いんです。追憶ですね」と笑った。
続けて柴崎氏は「この絵の良いところは、電柱や線路などの何気ないものを使って、見る人の気持ちをぐっとイラストの奥の方に持っていく作り方ですね。透明水彩としても丁寧に描かれているし、この方の優しい気持ちが絵の中に溢れている。それがこの絵の1番良いところです。感動がありますね」と語る。
その上で始めた添削作業。柴崎氏は「ぱっと見た感じ、ここ(右側の赤系色の建物)の色が強いですね。もちろんこれは近くだから強く描いたのかもしれません。ですが、そのためにこちら(左)側を注目することが出来なくなってしまっている。やはりアピールが強いんですね。これをもう少し、中央に寄せていった方が、見る人がもっとこのイラストの奥の方に気持ちを持っていくことができ、さらに共感を呼ぶと思います」とコメントした。