まだ追いつける『呪術廻戦』 連載序盤で離脱した読者も"復帰”した方がいい理由とその方法

※本稿は若干ながら『呪術廻戦』のネタバレを含みます。

 いま最も勢いに乗るコミックといっても過言ではない、「週刊少年ジャンプ」で連載中のダークバトル漫画『呪術廻戦』(芥見下々)。現在公開中の『劇場版 呪術廻戦 0』が大ヒットを記録しており、テレビアニメ版の第二期も待望されているなかで、乗り遅れてしまっている人もいるのではないか。

 物語の始まりはこうだ。優れた身体能力と正義感を持つ高校生·虎杖悠仁は、人の負の感情から生まれる“呪霊”に襲われる友人を救うため、誰もが恐れる特級呪霊・両面宿儺の指を食べ、自らの身体に呪いを宿すことに。その後、自他ともに求める最強の呪術師・五条悟の推薦により、東京都立呪術高等専門学校に入学。呪術師として成長を重ね、個性あふれる仲間たちと厳しい戦いに身を投じるーー。

 当初から虎杖悠仁や伏黒恵、そして五条悟などキャラクターや設定が魅力的で、漫画ファンの人気を獲得していたが、「王道の少年漫画」と捉えて序盤で読むのをやめてしまった人がいるとしたら、非常にもったいない。同じく「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気作『僕のヒーローアカデミア』にも同じことがいえるが、いまや連載開始当初からは一歩進んだ、深いテーマと、読者に息をつかせない緊張感が生まれているからだ。ヒーローたちが一般市民に石を投げられたり、最強の呪術師が封印され、多くの犠牲者が出る熾烈なバトルに発展したり、という展開を当初から予想していた読者がどれだけいただろうか。

 『呪術廻戦』に絞っていえば、ただ「強い」だけでは勝てない知略戦/能力バトルの要素が高まっており、例えば冨樫義博『HUNTER×HUNTER』のように、いつどのキャラクターが退場してもおかしくない、緊迫感のある展開が続いている。『劇場版 呪術廻戦 0』の主人公である乙骨憂太の見せ場も訪れており、映画から原作に復帰を果たす読者も少なくないかもしれない。

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