【漫画】すれ違う二人の女子高生……一見上手な“百合漫画”がプロの添削で激変

 各種ウェブサービスやアプリ、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が拡充し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。それだけに、プロを目指したり、もっと上手になりたいと考えているクリエイターも多く、ワンランク上の技術を伝える「解説動画」や、個別に具体的なアドバイスを送る「添削動画」が人気を博している。

 なかでも15万人を超えるチャンネル登録者を抱え、常に高い視聴回数と高評価を記録しているのが、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。視聴者から寄せられた一見上手なイラストや漫画について、プロの目線で細かく添削。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かし、優しく背中を押すようなアドバイスが気持ちよく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのも、大きな魅力だ。

 12月12日公開の動画で取り上げられたのは、漫画家を目指していて、「気になるところがございましたら、ビシバシ言っていただきたいです!」と、意気込み十分な葵さんの作品。女子高生二人のすれ違いが切ない1シーンで、相手が涙を流し、立ち去ろうとしている理由がわからない主人公が、「待ってよ!」と腕を掴んで呼び止める、シリアスな内容だ。動画タイトルのとおり、一見とても上手に見える。

#38 一見上手な漫画もプロが見れば? 学園百合漫画の添削

 ハイド氏はいつも、作品の「良いところ」から分析していく。今回は「キャラクターが華やかでセクシー」と評価。作者はいわゆる「百合漫画」として本作を描いたそうで、適度に色気が出ているところが高評価のポイントだった。さらに、「ムードづくりがうまくできている」とも。1ページだけなので前後の文脈はわからないが、「二人が深刻に状況になっていることは、ビシバシ伝わってくる」とハイド氏。雰囲気の盛り上げ方がうまい、ということだ。感情を強調する目のアップや、呼び止めるために手を掴むシーンの切り取り方など、ドラマチックに構成されていることがわかる。

 ここからが添削の本番だ。ハイド氏は自らペンを走らせ、ネームを引き直していく。普段は投稿者がうまく描き込めていない背景を補強し、シチュエーションをわかりやすくすることが多いハイド氏だが、今回は「ストーリーの後半部分」であることを念頭に、あえて背景ナシで調整している。詳しくは動画を観ていただきたいところだが、その上で、「アップの多用」を避け、緩急をつけている。

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