1億7000万円の借金返済に追われても…… ♥さゆりが「私はむしろラッキーだったかも」と語る理由

さゆりが「私はむしろラッキー」と語る理由

どんな環境でも生き抜き、人々を助けるヒロインに憧れて


――この本では、♥さゆりさんが直接話しかけてくださるような文体が心地よかったです。もともと文章を書くことはお好きだったんですか?

♥さゆり:いえいえ、苦手です。こんなに長く文章を書いたのも初めてですね。

――「知らんけど」みたいな言葉も入っていて、「ふふっ」となりました。

♥さゆり:あはは!「知らんけど」はね、関西人特有の口癖なんですよ。

――♥さゆりさん自身は本をよく読まれますか?

♥さゆり:小さい頃から漫画が大好きなんです。こんなにお金がないのに、漫画には課金しちゃうんですよ。「それだけは許してー」でも「誰か止めてー」って思いながら読んでます。

――どんな作品がお好きなんですか?

♥さゆり:結構オールマイティーに読むんですけど、好きな作品は少女コミックが多いかもしれないです。私の人生とか、理想の女性像も漫画のヒロインから影響を受けていますね。一番最初に好きになったのは『天は赤い河のほとり』(篠原千絵/小学館)です。現代の女子中学生のユーリが紀元前のヒッタイト帝国に行っちゃう話なんですけど、その強く生きる姿が私の理想ですね。理想といえば、その作品に出てくる皇子のカイルなんですけど、全然かつみ♥さんと違うー(笑)! こんなもんですね、理想と現実は!

――(笑)。でも、過酷な環境でも生き抜くユーリはたしかに♥さゆりさんと誓いものがありますね。

♥さゆり:本当ですか!? うれしい! あと今好きなのは『女王の花』(和泉かねよし/小学館)と『暁のヨナ』(草凪みずほ/白泉社)です。これらの作品もヒロインが自分の力で生き抜こうとするのもそうですけど、人民を助けていくところが好きなんですよね。

――好きな漫画に、♥さゆりさんの原点を見た気がします。でも、♥さゆりさんの人生もコミック化できそうですよね。

♥さゆり:はははは! 実は1回ね、脚本家の偉い先生が私たちのことを「映画化したい」って言ってくださって、いろいろとお話をさせてもらったことがあったんですよ。でも、「これ2時間半は無理だ、朝ドラだ!」って言われてしまいました。なので、いつか朝ドラにしていただけたらありがたいです(笑)。

やっと見えた借金完済のゴール、本当の人生は80代から!


――「いつか朝ドラに」という話もありましたが、今後おふたりで「こんなふうに生きていきたい」というイメージを聞かせてください。

♥さゆり:実はね、今までずっと暗いトンネルのなかをひたすら走ってきたんですけど、ようやく出口が見えてきたんですよ。うちの借金ってバブル時のだったんで、金利がすごく高かったんです。ずっと金利だけ払い続けてるような状況が続いていたんですけど、3年前くらいに銀行の担当者が「この人らは絶対逃げないから」って上に掛け合ってくれて、借金を一つにまとめて金利も下げてくれはったんです。もう、その方のことを「私の半沢直樹」って言ってるんですけど。

――朝ドラだけはなく、日曜劇場もいける人生!

♥さゆり:そうなんですよ。これまで20年くらい何十行と銀行の借り換えを失敗してきたのに、直樹のおかげでようやく金利を払うだけじゃなくて元金が減ってきていて。この前、ようやく最後の支払い日が見えたんです。

――わー(拍手)! それはいつなんですか?

♥さゆり:かつみ♥さん86歳、私が80歳のときです。もうね、それまで見えなかった出口が見えたことで、もう完済したような気持ちになっちゃって。みんなに「それは違うよ」って言われるんですけど、でも、それくらいうれしくて。

――ゴールが見えたら、もう走るだけですね!

♥さゆり:そうなんです。うちの人生はかつみ♥さんが87歳からなんですよ。だから「長生きせなあかん! 127歳まで生きるぞ」って、この前ね遺伝子検査してもらったんです。今、唾液を送ってできる検査があるんですけどね。正確な数字はちょっと忘れてしまったんですけど、たしか日本人の98.8%が80歳以上生きられる遺伝子を持っているんですって。でもね、かつみ♥さんは遺伝子検査の結果、めでたくそうじゃない1.2%に入ったんですよ。「長生きできひんやないかい!」って。すごないですか?

――まさかの(笑)!

♥さゆり:私「もうこの人遺伝子からおもしろい」って思って(笑)。今必死で長寿サプリ飲んでるんですよ、かつみ♥さん。

――遺伝子の運命にあらがっていただきたいです。

♥さゆり:本当に。目標は80代になってもキャッキャ言いながらロケしてるレポーターでいたいなって。夫婦で元気にロケができたら、そんな幸せなことはないなって。本にも書いたんですけど、私「ボヨヨ~ン」ハゲになってるんですね。最悪髪の毛が2本あればできるって思ってるんですけど、80代になったら毛がなくなっちゃってるかもなーって言ったんですよ。そしたら、かつみ♥さんが「さゆちゃん、ピンクのウィッグをかぶり!」って。

――素敵ですね!

♥さゆり:そうか、その手があったかと(笑)。だから、きっとピンクのウィッグをかぶって、今よりももっと短いスカート履いていると思います。そのときまで元気に夫婦でわちゃわちゃやっていけるように、これからも頑張ります!

■書誌情報
『さゆり52歳 生き様ビューティー』(ヨシモトブックス)
著者:♥さゆり(かつみ♥さゆり)
出版:ワニブックス
発売日:2021年9月30日
価格:1430円(税込)

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