ハリウッドザコシショウに聞く、好きな漫画と芸の道 「曲がらない芸人は強い。ディオだってそうでしょ?」

ザコシに聞く「好きな漫画」

 8月8日に自身初となる単独ライブのネット配信を控える、ハリウッドザコシショウ。今回、そんな彼に好きな漫画と芸風の関係性について語ってもらった。「そんなものまねなんかやってどうすんだよ」「『R-1ぐらんぷり』に出るなら一人コントやれよ」と言われながらも、決して芸風を曲げなかった信念の人、ハリウッドザコシショウはどんな漫画作品に惹かれ、どんなキャラクターに共感しているのか。じっくり語ってもらった。(編集部)
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【写真】ハリウッドザコシショウの撮りおろしカット(10枚)

 

カイジの「沼」はパチンコの誇張バージョン

――ザコシさんが好きな漫画作品について教えてください。

ハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ):アニメも含めると、一番は『新世紀エヴァンゲリオン』かな。純粋に漫画だと、同じくパラレルワールドみたいな複雑な楽しさがある『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。作者の三浦建太郎先生が亡くなってしまった『ベルセルク』も大好きで、本当に惜しい人を亡くしたと思う。あとは『カイジ』シリーズも好きでずっと読んでますね。

ーーなるほど、長期連載の作品が多いですね。

ザコシ:確かにそうですね。単発のギャグ漫画みたいなものも好きなんだけど、毎回気になって読むのは長く続いているストーリーものなのかなと。『ジョジョ』だったら、やっぱり3部、4部が好きだし、(7部にあたる)『スティール·ボール·ラン』も面白かったなあ。いま振り返ると、2部も好きですね。カーズというラスボスが究極生命体になって、あんなに強いのに最後はあっさり2~3ページで宇宙に放り出されるという(笑)。

――不老不死で、いまも宇宙空間を漂っています(笑)。

ザコシ:その終わり方もすごいなと思ったし、3部になって“ネタ”がガラリと変わったでしょ?僕のなかでも芸風を変えるタイミングがあるんだけど、そこと似ているかなと思うところもあって。

――ファンを獲得した“芸風”を変えるのは勇気のいることですね。

ザコシ:そうそう。僕だったら「古畑(任三郎)漫談」をやっていたころまでが1部~2部で、「誇張ものまね」を始めたのが3部というか。荒木(飛呂彦)先生に聞いてみないとわからないけど、描くのがちょっと怖かったんじゃないかなと思う。やっぱりスベる可能性もあるわけだし。

――人気が出ても「売れ線に走った」なんて言われてしまうかもしれない。

ザコシ:でしょ。でも、結果としていまのバトル漫画って、「スタンド」に影響を受けたものが多い。そこに共感するし、本当にすごいと思いますわ。


――その意味では、世界を股にかけた3部から、杜王町というひとつの町の話にあえてスケールを狭めた4部、という展開にも痺れますね。

ザコシ:しかもディオとジョジョのバチバチのライバルストーリーから、一見関係ない話になってね。読んでいくとつながっているんだけど、あれも普通だったら怖くてできないでしょ。『スティール・ボール・ラン』なんてタイトルまで変わっているから、最初は別の漫画かと思って読んだもん。それが途中から「これスタンドじゃん」「『ジョジョ』の続編だったの!?」と気づいて。本当に飽きさせないし面白いですね。

――『カイジ』シリーズもあの手この手で飽きさせない作品ですが、こちらはどんなところが好きなんですか?

ザコシ:こっちは想像力がかき立てられるというより、す~ごいリアルじゃないですか。リアルすぎて、人間のドロドロしたところがどんどん出てくる。漫画も映画も何でもそうなんですけど、こっちもお金を払って見る以上は、ヤバいやつ、ぶっ飛んでいるやつが見たい。その点、『カイジ』なんていろんな意味でヤバいやつばっかり出てくるし、ぶっ飛んだものを体験させてくれるから最高だなと。

ーーちなみに、何編が好きですか?

ザコシ:沼ですね、沼(※第三章「欲望の沼」編)。裏カジノに置かれた1玉4000円のパチンコ「沼」で一攫千金を目指すんですけど、絶対当たらない仕組みを想像もつかないぶっとんだ方法で掻い潜るという。裏カジノのオーナー・一条も必死だから、絶対に出させない。それで、人の怨念を食らってきた「沼」……あれは言ってみればパチンコの誇張バージョンだよね(笑)。

考察しがいのある、パラレルワールドなエヴァが好き

――思い入れのある『エヴァンゲリオン』についても聞かせてください。

ザコシ:最初はガンダム系のロボットアニメかと思って、あんまりハマらなかったんですよ。でも、観ていくとエヴァンゲリオンは人造人間だし、使徒もロボットやモンスターじゃなくてよくわからないし、ウルトラマンとかに近いのかな……なんて思っているうちに、解決されない謎と人間ドラマにすっかりハマっちゃって。ずっとなんやろ、なんやろと思い続けてきて、この間の映画『シン・エヴァンゲリオン』でやっと解決したという感じですね。気持ち悪い描写とか表現が多いのもよかったな。

――こちらも長い付き合いになりましたね。

ザコシ:そうですね。旧劇場版が「気持ち悪い」(アスカ)って終わったでしょ。あれは別のストーリーだという人もいるけど、結局ぐるぐるぐるぐる回っていて、ある分岐点の終わりが『シン・エヴァンゲリオン』だというところも好きで。やっぱり『ジョジョ』にも通じるパラレルワールドな感じが好きなのかなと。

――他にも無数の可能性があって、ただ今回の結論はこうなった、と提示されるのが好きなんですね。

ザコシ:そうそう、だから『シン·エヴァンゲリオン』とは違う、絶対にあるはずの別の世界での結末も見てみたいなと思いますね。そうやって受け手側がいろいろ考えることができる作品だということ自体が素晴らしいと思う。



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