シリーズ屈指のスペクタクル展開『名探偵コナン』100巻 黒の組織ナンバー2・RUMの正体も判明

スペクタクル展開『名探偵コナン』100巻

 100巻に収録された中で最も重要なエピソードは、コナンの協力者であり、共に組織を追うFBIのメンバーが相次いで殺害される「FBI連続殺人事件」だろう。その前日譚となるエピソード「工藤優作の推理ショー」も含め、いよいよ黒の組織とFBI、そしてコナンやその両親である工藤優作・有希子夫妻も巻き込んでの頭脳戦が本格化する、今後の『コナン』のストーリーにも大きく関わるエピソードだ。

 組織とFBI、共に相手の一手先を読み合う攻防戦は普段にも一層増して読者をハラハラさせる。暗号を解きあう頭脳戦から、その暗号を逆手に取って相手を出し抜く騙し合い、さらにアクション映画さながらのカーチェイスから、無人島を舞台としたサバイバルへと目まぐるしく展開するストーリーは、これまでのコナンのエピソードでも類を見ないスペクタクルな様相を見せる。

 さらにこのエピソードで注目したいのが赤井秀一とコナンの息の合ったコンビネーションだ。共に互いの考えていることを言葉にせずとも分かり合っている姿は、師弟とも相棒とも違った、このふたりならではの関係性だろう。

 特にエピソード終盤で沖矢に扮した赤井とコナンが親子の振りをして現場から去る姿に、その緊迫した状況とは反してほっこりとした読者も多いだろう。赤井が物語に登場した当初は想像もしなかった息の合ったふたりの関係性は、今後組織との直接対決を迎える中でとても強い武器となるだろう。

 なによりもこのエピソードで重要なのは、組織のナンバー2であるRUMの正体が発覚した点だ。これまで15巻以上にわたってその正体が探られてきたRUM。この「FBI連続殺人事件」の事件中にもジンを始めとした組織のメンバーに逐一、それも離れた場所から的確に指示するなど、その手腕を発揮していた。

 我々読者がRUMの正体を知った一方で、コナンや赤井らは未だRUMの正体を知らないままだ。記念すべき100巻に相応しい、今後の『コナン』にとっても重要なエピソードが並ぶ1冊。ぜひ書店で手に取ってほしい。

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