ハライチ岩井勇気が明かす、初小説に込めた“皮肉” 「定義が分からないから、エッセイみたいに書いた」

ハライチ岩井が初小説に込めた“皮肉”とは?

あえて、エッセイみたいな小説を書きました。


――今回、書き下ろしの小説も収められていて、とても面白かったです。同時に、今までのエッセイにも岩井さんならではの視点や妄想が混じっているので、これまでのものと特に垣根はないと感じました。

岩井:そうですね。「小説を書け」と言われたんですが、小説なんて書けねえよと(笑)。そもそもエッセイと小説の違いってなんなんだろうなと。何が小説なんですか? 何をもって小説? 小説の定義って?

――うーん。詩や戯曲ではないフィクション……ですかね?

岩井:正直、よく分からないですよね。だから、エッセイみたいな小説を書いたんです。この最後に載せたやつ、小説じゃなくはないですよね。でもエッセイってわけでもない。今まで書いていたエッセイも、そもそもエッセイなのか、小説ではないのか。「小説を書け」と言われて、特に相談せずに、今回のものを書いて渡したら、「いいですね」と。特に直されてないですしね。

――あえて、垣根をあいまいにしたものを書いたと。

岩井:そうです。どこが違うんだ?と。エッセイからのあえての地続き。狭間を狙いました。なんか、「小説」ってなると急に崇高な感じになるのが納得いかないんです。最初の書籍が出たときに、「聞いたことないものでいいから、何か賞とか取れないの?」って聞いたら、エッセイに賞はないっていうんですよ。小説にはいっぱいあるのに。一般的には本の賞なんて、よくは知られてないから、みんなが全然知らない賞でも、その賞には申し訳ないけど、取ったとか書いてあるだけで「なんかすごいんだ」みたいになるじゃないですか。それで買うって言うなら、それでいいから、もし3冊目を出すなら、おんなじスタイルで小説だと言って出そうって。もしそれで賞が取れたら意味わかんないけど。

――確かに今までのスタイルのままで、短編小説集にもできそうです。

岩井:ですよね。たぶん同じスタンスで、短編小説集が成り立つ。だって、今回の最後のエッセイみたいな感じで書いた小説が、小説だと受け止められたんだから。

――なるほど。「小説とは何ぞや」と。最後にもう一度確認です。書くことには本当にハマってない?

岩井:ハマってませんよ。正直、これもだれが読むんだろうと。謙遜とかじゃなく。ちょっとでもオレに興味がある人に向けてだったら、自叙伝みたいなものを書くと思うんです。そういう意味では、僕をまったく知らない人でも読めるものになればとは思ってます。メッセージ性とかも込めたくないし。ハマってはいません。ただ、嫌いでもないですけどね。皮肉が好きなんで、皮肉で書いてます。

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岩井勇気『どうやら僕の日常生活はまちがっている』(新潮社)
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