コロナ明けに行きたい! 『美味しんぼ』に登場する実在の名店4選
料理漫画のパイオニア、『美味しんぼ』。料理はもちろん、山岡士郎と栗田ゆう子の恋愛ストーリーなど、楽しめる要素は多い。
作品では実在する飲食店も多数登場。漫画をもとに「聖地巡礼」をする人もいると聞く。今回は『美味しんぼ』に登場し、コロナ禍が落ち着いたらぜひとも行きたい、多くの読者が訪れた料理の名店を振り返ってみたい。
並木藪蕎麦
無許可で屋台のそば屋を始めた男。中松警部から「俺を満足させたら営業許可証をなんとしかしてやる」といわれるも、ツユの味がイマイチで、切羽詰まってしまう。
そんな彼のために山岡が助太刀を依頼したのが、「雷門の藪そば」の店主だった。店主は通りすがりの客を装い屋台を訪れ、「この味付けを教えてほしい」と藪そばに誘う。そこで「栗田に作り方を教える」という名目で、薮そば伝統のツユの作り方を見せ、間接的にその味を伝授した。
この「雷門の薮そば」のモデルは、浅草の「並木藪蕎麦」。1913年(大正2年)に開業した超名店で、その深みのあるツユとそばは絶品と評価が高い。「かんだやぶそば」や「池の端藪蕎麦」とともに、伝統のそばを守っている。
昔のきりたんぽ屋
栗田ゆう子の兄、誠と滝本たか子の仲を取り持ったのが、秋田県大館市の「昔のきりたんぽや」だった。
「昔のきりたんぽや」は56巻の『恋のきりたんぽ』に登場。「東京で美味しいきりたんぽ鍋を食べたことがない」と話すたか子に、山岡が「本物のきりたんぽを食べることができる店」として、直々に連れて行ったのだ。
筆者も岩手県盛岡市から約2時間かけて店を訪れたが、もちもちしたきりたんぽと比内地鶏のコラボレーションは素晴らしいものだった。
瓢亭
山岡士郎が年末年始休みの食べ過ぎや風邪で元気がない小泉局長と富井副部長のために「おかゆ大会」の開催を提案。そこで山岡が「究極のお粥」として振る舞ったのが、京都府に店を構える老舗「瓢亭」の朝粥だった。
瓢亭は日本料理・茶懐石の老舗として知られ、創業は江戸時代にまで遡る。日本を代表する朝粥が有名で、瓢亭を語らずして、日本のお粥文化は語れないとまで言われるほど。味にうるさい山岡士郎も「究極のお粥」とその味を絶賛していた。