『SLAM DUNK』赤木、魚住、牧……上司にするなら誰? それぞれのリーダー像を考察

『SLAM DUNK』上司にするなら誰?

正論で突き詰めるタイプの上司?

深津一成(山王)……泰然自若タイプ

 ことスポーツにおいては内なるエモーションを爆発させてプレーすることでパフォーマンスを上げたり、周囲(観客も含めて)を巻き込むことが良しとされることが一般的だが、深津は真逆のタイプである。常に冷静沈着であり、その洞察力の高さで物事の本質を見抜き、実行にうつす。冷静ゆえにその判断がブレることもなく、発する言葉には説得力がある。

 あまりにも正論すぎて、逃げ道のないひとことは凡人にはキツいかもしれないが、全国トップレベルの、魔界の住人のような才能が集まったチームにおいては、その能力は重宝されることであろう。

 と、ここまで主だったキャプテンたちの特徴について見てきたが、ひとつだけ言えるのは誰が優れているとか優越の話ではなく、このチームだから彼らがキャプテンだったという組み合わせが見事にハマっているということである。いま現在みなさんが所属している組織・グループに当てはめたとき、どのタイプのキャプテン(リーダー)が一番ふさわしいか。もしくは自分の上司だとしたら、誰が一番自分が能力を発揮できるか、考えてみるのも面白いのではないだろうか?

■関口裕一(せきぐち ゆういち)
スポーツライター。スポーツ・ライフスタイル・ウェブマガジン『MELOS(メロス)』などを中心に、芸能、ゲーム、モノ関係の媒体で執筆。他に2.5次元舞台のビジュアル撮影のディレクションも担当。

■書籍情報
『SLAM DUNK 完全版』
井上雄彦 著
定価:各1,026円(税込)
出版社:集英社

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