『呪術廻戦』特級呪術師・乙骨憂太の“優しい強さ”を考察 名台詞「失礼だな 純愛だよ」の魅力に迫る

『呪術廻戦』乙骨憂太の優しい強さを考察

 さらに、伏黒が「手放しで尊敬できる」というように性格も魅力的だ。はじめはいじめられるほど気弱な少年であったが、高専に入学して3ヶ月目には五条から「性格も前向きになったよねぇ」と言われるほどに成長。

 狗巻棘と仕事に向かい、準1級レベルの呪いに手こずって狗巻が怪我を負った時は「僕のせいだ」と自分を責めつつも、確実にサポートをしたり、「狗巻君の優しさには 絶対応える!!」と果敢に呪いに立ち向かったりしていた。百鬼夜行の場面でもそうだ。高専で夏油と対峙し、真希、パンダ、狗巻がやられてしまった光景を目にすると、怒りを顕にする乙骨。狗巻の呪言をコピーした時も「狗巻くんは凄いなぁ…」と、戦いの最中においても仲間をリスペクトしている。また、里香を解呪してしばしの別れとなったが、この辛い経験を経たことでさらに人間の深さが増したのではないだろうか。

 そして、里香との関係性もグッとくるポイントのひとつだ。特級過呪怨霊になった里香の姿は化け物そのものだったが、気味悪がることなく「里香ちゃん」と呼び、結婚の約束をしたときと愛情も変わっていない。自分の命を生贄にして呪力の制限解除をし、夏油に「女誑しめ!!」と言われた際の「失礼だな 純愛だよ」というセリフにしびれた読者も多いだろう。

 ちなみに相思相愛だったという前提の上でだが、じゃじゃ馬的存在の里香をいざという時には「何をしている里香 その人(真希)は僕の恩人だ 蝶よりも花よりも丁重に扱え…!!」、「あわせろ 里香」と強気に従わせるのもいい味になっているのではないだろうか。

 『呪術廻戦』本編では海外に行っており、まだ本格的に登場していない乙骨。どのタイミングでどう登場し、物語にどう関わっていくのだろうか。そして、今の乙骨の力はどうなっているのだろうか。全容が見えるまで、期待を募らせながら待ちたい。

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