『ハイキュー!!』月島と山口が本当の親友になった瞬間 初めての衝突を越えて

『ハイキュー!!』月島と山口の心が通った時

チームメイトから生涯の友へ

 月島と山口が衝突するシーンが描かれたのは一度だけだ(もちろん、描かれていない高2から高3の間に何かがあったかもしれないが)。

 春高準々決勝直前には山口と月島が話をしているシーンがあるが、いつもクールな月島が山口と話しているときに大笑いをするなど肩の力が抜けた様子が描かれている。

 大人になってからの月島と山口は意外なことに山口のほうが落ち着いて見える。ブラジルから帰ってきた日向を迎えに行った山口は月島にも来ればよかったのに、と言う。

「僕ヒマじゃないから」
「ヒマじゃないと行かないのかよ」

 山口が月島にツッコんでいるのだ。高校のときは大人っぽく見えた月島だが、月島は実は弟気質なのではないか。それが山口やほかのメンバーの前で出ているのは、きっと素が“出せるよう”になったからだ。月島にとって高校3年間は楽しいものだったろう。それは山口がぶつかってきてくれたあの夜があったからこそに違いない。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『ハイキュー!!』(ジャンプ・コミックス)既刊44巻
著者:古舘春一
出版社:株式会社 集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/haikyu.html

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